古木のいちじく、個人商店の底力

駅前の裏通り、昭和の風情を残す一画にそろそろ肩身が狭そうに(でもそうならないでと願う)佇む小さな漬物屋さん。お漬物の美味しさもさることながら、明らかに“目利き”が選んだ野菜や果物、卵やお米が少しづつ並んでいます。

残暑の頃、スーパーでは一瞬で見かけなくなったいちじくが、ここにはまだまだ山盛りに、それも深くてツヤツヤの色味を帯びて並んでいます。「古い樹でそんなに量が獲れないから、スーパーには卸せないし、うちみたいな個人商店でないとね」とほほ笑むおばあちゃんが、未来の私に見えたのは決して気のせいではない。

TAITU、愛しのティー・フォー・ワン

TAITU Tea for One

Leopardo

イタリアのデザイナー、エミリオ・ベルガミンの食器ブランド「タイツ―」。食器の枠を超えた遊び心いっぱいのユニークなデザインに、ウキウキが止まりません。

Tea for One(ティー・フォー・ワン)は、一人用のカップとポットが一体になった丸っこい形が魅力。大きめのカップでたっぷりといただけるから自分だけの時間を楽しむもよし、普通サイズのティーカップで(3杯は取れる)二人で寛ぐもよし。生活に馴染む何気なさが素敵ですが、実物は絵付けと質感が素晴らしく、そこが幸せのポイントです。

料理をする喜びに、「こんにちは」

720ml/1800ml

こんにちは料理酒

ネーミングが秀逸な料理酒のパイオニア。アミノ酸をなるべく出さないように造る飲用の純米酒とは逆に、アミノ酸の量と種類を多く出すことを意識している。だから、魚介類、肉、野菜、穀物など食材の持ち味を引き出す効果があり、わずか小さじ一杯でいつもの料理が変わります。「調理段階の早めに使う」ことさえ意識すれば、後はいつもの料理酒と同じ使い方で大丈夫。

「こんにちはPREMIUM料理酒」という五百万石のプレミアム品もあり、お蕎麦屋さんで見つけて気に入った「楽器政宗」の蔵元さんでもあったことはうれしい驚き。

大木代吉本店
慶応元年(1869)、良質の水を求めて福島県西白河郡矢吹町に創業。早くから自然に恵まれた環境を活かした酒造りを目指し、有機農法米や独自の酵母を使用してふくよかな香味を持つお酒を造りをしている。全国新酒鑑評会金賞や、東北清酒鑑評会優等賞を幾度も受賞している銘醸造元であり、代表銘柄『自然郷(しぜんごう)』は、昭和48年に篤農家との出会いによって、造りだけでなく米もこだわり、地域の農家と有機栽培米を栽培して使用している。

神々の遊び「浪速割烹と越境ペアリング」-2022 Sep.

大人の隠れ家で暑気払い(プロ限定)

駅前の一画にひっそりと佇む浪速割烹の名店「季ごころ廣」さんに、多彩なジャンルの料理人が集ってペアリング会。ワインは国や産地を問わずセレクトし、メニュー毎のパフォーマンスを見ていただきました。

お献立:
先付 もろこし茶碗蒸し
進肴 とびあらと銀杏のつみれ揚げ
旬菜 焼き茄子のじんだ掛け
割鮮 かつおの藁焼き
強肴 タルタル最中仕立て
焼物 かますの花韮巻き
酢物 イシカゲ貝のみどり酢
ご飯 鰹の漬け
香の物、味噌汁

ペアリングワイン :

  • Vouvray Petillant Brut NV, Domaine Vigneau-Chevreau
  • Rousesete de Savoie Frangy 2020, Domaine Lupin
  • Vouvray Demi-Sec 2020, Domaine Vigneau-Chevreau
  • Txakoli Rezabal Rose 2021, Bodegas Txakoli Rezabal
  • Avadia de Gomariz 2014, Coto de Gomariz
  • Von Winning Weisburgunder 2, Weingut Von Winning
  • Steinbach Silvaner Trocken VDP Erste Lage 2020, Weingut Schloss Sommerhausen
  • Nector NV, Champagne Beaumont des Crayeres

写真はヴーヴレ ドゥミ・セックと焼き茄子のペアリング。あまり注目されることのない、やや甘口の醍醐味を感じていただけたのではと思います。廣さん、お休みの所、特別メニューでのおもてなし下さり、ありがとうございました。

季ごころ廣 最寄り駅JR茨木徒歩3分
Domaine Vigneau Chevreau ドメーヌ・ヴィニョー・シュヴロー(フランス)
Domaine Lupin ドメーヌ・リュパン(フランス)
Bodega Txakoli Rezabal ボデガ・チャコリ・レサバル(スペイン)
Coto de Gomariz コト・デ・ゴマリス(スペイン)
Weingut Von Winning ヴァイングート・フォン・ウィニング
Weingut Shloss Sommerhausen ヴァイングート・シュロス・ゾンマーハウゼン

究極のペドロ・ヒメネスと狂気のブランデー

from left, Pedro Ximénez, Brandy Diez Mil Botellas, Brandy Tres Mil Botellas

Pedoro Ximénez Muy Viejo
ボデガス・ヒメネス・スピノラ シェリー ソレラ1918
(写真左)

Diex Mil Botellas Brandy Criaderas
ボデガス・ヒメネス・スピノラ ブランデー クリアデラス
(写真中央)

Tres Mil Botellas Brandy Solera 1948
ボデガス・ヒメネス・スピノラ ブランデー ソレラ 1948
(写真右)

プロフェッショナリズムの頂点、キューバシガー専用ブランデー

CIGARS CLUB BRANDY

シガーズクラブ ブランデー

マドリッドに本拠を置く会員制の名門シガークラブ、インターナショナル・クラブ・パッション・ハバノスでも、特に最上級の会員を喜ばせるために造られた比類なきブランデー。キューバシガー最高峰のエキスパートたちが選び抜いた指定のハバノス(キューバシガー)に、寸分のずれもなく完璧にマッチさせる酒を意図している。

年産わずか350本。それがごく少量ながら、日本で楽しめるという幸運。深遠なるハバノスの世界は大人の瞑想である。

from left, No.1, No.2, and No.3

BRANDY CIGARS CLUB Nº1
シガーズクラブ ブランデー No.1 (700ml・Alc43.25% – Edition 15)

“ソフトシガーをお好みの方に”
シガーズクラブNo.1は主にドミニカ産やニカラグア産(一部のキューバ)のようなライトでマイルドなシガーに完璧に合うスタイルを追求しました。シガーと蒸留酒のバランスではなく、苦味や収斂性がほとんどない滑らかなシガーに適応していることが重要です。


“Para los amantes de los cigarros suaves…”
Hemos buscado un perfecto «acompañante» que mejore la fumada de los cigarros de intensidad baja, fundamentalmente la mayoría de los dominicanos, nicaragüenses y algunos habanos. No es una cuestión de equilibrar el destilado, sino de adecuarlo a la fumada perfecta de una cigarro untuoso y poco astringente… -José Antonio Zarzana – Viticultor

BRANDY CIGARS CLUB Nº2
シガーズクラブ ブランデー No.2 (700ml・Alc 45.17%-Edition 15)

“バランスの取れたシガーをお好みの方に”
シガーズクラブNo.2はシガーズクラブの中でも最も難しい商品です。なぜなら“バランスの中のバランス”を求めているからです。つまり、ドミニカ産、ニカラグア産の最もボディの強いシガーに合うと同時にミディアムのキューバシガーにも合わなければなりません。高度に均一化されたソレラの中にもわずかな違いを持ちこの厳しい条件を満たすものがあるのです。


“Para los amantes de los cigarros equilibrados…”
Este es posiblemente el más difícil de obtener entre los Cigars Club de nuestra Casa y eso es precisamente porque lo que estamos buscando es «el equilibrio dentro del equilibrio». Es decir que tiene que acompañar a los cigarros dominicanos y nicaragüenses más intensos y al mismo tiempo a los habanos de fortaleza media. Todo ello sin dejar de ser un destilado de grado dispar dentro de una Solera muy homogénea. – José Antonio Zarzana – Viticultor


BRANDY CIGARS CLUB Nº3
シガーズクラブ ブランデー No.3 (700ml・Alc47.15% -Edition 15)

“凝縮感のあるシガーをお好みの方に”
必然的に、ボディの強いシガーになると完璧に合う蒸留酒がほとんど無いという問題に直面します。一見不釣り合い見える凝縮感とタンニンが必要になるのです。シガーズクラブNo.3は最もボディの太いシガーと合わせると感覚的には全く凝縮感もタンニンも感じさせないのです。

“Para los amantes de los cigarros intensos…”
Lógicamente cuando un cigarro adquiere una fortaleza muy alta, nos encontramos ante el problema de no encontrar fácilmente el destilado perfecto para acompañarlo. En realidad hace falta la intensidad y unos taninos que inicialmente pueden parecer desproporcionados, aunque no lo son organolépticamente, cuando se combinan con los habanos más intensos y recios. -José Antonio Zarzana – Viticultor

注)シガーズクラブにはソレラシステムから引き抜いた年を示すエディションナンバーがありますが、ソレラシステムという性質上、生産工程は毎年全く同じです。選別においても、同じ味わいを基準としているためエディションによる官能的違いはありません。

その上でエディションがもたらす違いは2点:

  • アルコール度数 : エキスパートたちの選別は全て完全なブラインドテイスティングでなされます。その為アルコール度数を知る由はありません。
  • 葉巻の銘柄 : アルコール度数が違うため、葉巻の銘柄が一部異なります。

このわずかな違いはエキスパートでなければ感知できない非常に高度な世界であり、それがシガーズクラブの価値そのものです。

<開発の背景> ブランデーはワインを原料とする蒸留酒であり、原料の高貴さから多くの専門家が葉巻と最も相性がよいと認めているアルコールである。2002年、葉巻愛好家のための特別なお酒を求めていたアルタディス社(スペインの葉巻メーカー)が、ボデカス・ヒメネス・スピノラのブランデーに目を留めて共同開発が始まった究極のブランデー造り。後に同社を合併したインペリアル・タバコ社に引き継がれ、2014年、遂に「シガーズ クラブ ブランデー」として完成した。最高峰のプロ集団をもってしても気の遠くなるような試飲、熱い議論、物議を醸す決断を経て3種類が用意され、毎年リリースの度にエディションに合わせて90銘柄以上のキューバシガーが至高のペアリングとして発表されている。

ソレラ 1918、誇り高き100周年復刻版に時の流れを想う

PX Edition Conmemorativa

1918年も暮れる頃
この年のシェリーを仕込んだワイナリー現役最古のソレラシステムが設置されました
 
漆黒の文字が刻まれた控えめな白いラベルをまとい
幾年もの収穫と情熱的な献身にささえられ
激動の時代となった20世紀の歴史をじっと生き抜くこと百年
遂にこのシェリーは誕生から一世紀を迎えます
 
こうした背景から
もともとの白黒ラベルと昔ながらのヘレス瓶
ただ一つの付加価値はその中身というオリジナルの簡素な佇まいを
復刻版として蘇らせたいと思いました
 
この簡素さこそが
今日に続くヒメネス・スピノラの名を有するわたしたちのワインの品質を形作ってきたのです

- 9代目当主ホセ・アントニオ・サルサナ -

ソレラ 1948が育む狂気のブランデー、栗樽12年熟成

Bodegas Ximénez -Spinola Diex Mil Botellas Brandy Criaderas

あらゆる事柄が規格外のヒメネス・スピノラでも、本当にどうかしていると思う逸品がこれ。頂点を極めたペドロ・ヒメネスを蒸留したブランデーだ。「あれだけ懸命に育て上げたペドロ・ヒメネスを、原料として蒸留する瞬間は今でも心が痛みます」とは、9代目オーナー、ホセ・アントニオの言葉である。

このブランデーは第二次世界大戦後、貧困を極めたスペインで物が全く売れないという異様な時代に誕生した。ヒメネス・スピノラのような極上品の蔵元にとってその痛手は凄まじいものだったが、それよりも精神的に辛かったのは自然が毎年素晴らしいブドウを実らせてしまうこと。そして1948年、遂に仕込み用の樽のストックが底を尽きてしまった。

追い詰められた先々代が講じた秘策がワインを蒸留して量を圧縮すること。それをブランデー専用のソレラシステム「サン・クリスティノ 1948」を設けて詰め込んだ。7代目の名を冠した小さなソレラシステムは、栗樽とアメリカンオーク樽で構成されている。

現地名はDiez Mil Botellas (ディエス・ミル・ルボテジャス)。1万本という名のとおり、年間生産量1万本。余白を含めてそれ以上抜くとソレラシステムが崩壊してしまうという限界ギリギリの数字だ。

栗樽で構成されるクリアデラス部分で12年熟成、さらに1年の瓶熟を経て出荷される唯一無二のブランデー。柔らかな口当たり、栗由来の淡い色合いと繊細な香りを纏い、デザートやチョコレートとの相性も素晴らしい。アルコール40度の蒸留酒をこんなにもたおやかに飲めてしまうことに、ただただ感動が止まらない。

“Elaborado a la vieja usanza…”
Destilar Pedro Ximénez no es fácil. Extraer los matices de sus aromas y hacerlos permanecer en tonel de Castaño, parece atípico. Sin embargo, lo más complicado es hacer que la sedosidad de los tostados y el recuerdo de las pasas se integren con el alcohol. Aquí está el resultado.

José Antonio Zarzana – Viticultor