歴史は続くよフェルメント

生産者:メディチ・エルメーテ
生産国:イタリア/エミリア・ロマーニャ州モデナD.O.P.
ワイン名:フェルメント
ブドウ品種:ランブルスコ・ディ・ソルバーラ100%
タイプ:赤・辛口(Alc 11.5%)

この軽やかさと透明感、バラのように香しくそれでいてどこか良い意味で田舎らしい寛いだニュアンス。何より弱発泡なのにきちんと瓶内二次発酵をしているから泡立ちが美しく、その泡に連れられてラズベリーのような果実の酸味が全身を駆け抜けていく。一口飲んだ瞬間にあれも食べたい、これと合わせたいと料理が浮かぶ、こんなガストロノミックなワインが大好きです。何もイタリアンにこだわる必要はありません。天ぷらだって小籠包だって、パッタイだって大丈夫。チヂミもいいですね。

昔ながらの製法で造っているので、澱引きをしていません。ボトルを立てて澱を沈めて透明度を高めてから飲むのもよし、澱を攪拌して濁りとともにその複雑味を楽しむもよし。生産量が限られているから、毎ヴィンテージ逃さず味わいたいものです。

辛い料理もあら不思議!自由に楽しみましょう。

ランブルスコ愛の賜物

5年の歳月を経て1993年にリリースした「コンチェルト」で、すっかり安ワインのイメージが定着していたランブルスコ(*)の評価を覆したメディチ・エルメーテの4代目アルベルト・メディチ。そんな父の背中を見て育った息子で5代目のアレッサンドロが、ワイナリーに加わってまず手掛けたのがフェルメントです。

亜種を入れると数十種類は下らないともいわれるランブルスコ品種のなかでも、特に酸が高く透明感のあるランブルスコ・ディ・ソルバーラ種が大好きだったというアレッサンドロ。若い自分がこの品種を使って忘れられた古い製法(メトド・アンセストラーレ)を復活させたらきっと面白いに違いない!と思ったのが始まりなのですが、ランブルスコ・ディ・ソルバーラ種の名産地はワイナリーのあるレッジアーノではなくお隣のモデナ。だからモデナで最高のブドウを探すところからがスタートでした。程なくしてたどり着いたのは地元の栽培家が長年丹精込めて育てた偉大な畑。折しもその持ち主が亡くなり、その畑を受け継ぐことになったというから心が温まります。

*ランブルスコはイタリア中部、エミリア・ロマーニャ州(モデナ、レッジアーノ)とロンバルディア州(マントヴァーノ)にある3つの産地で、ランブルスコというブドウ品種から造られる弱発泡性スパークイングワイン。代表品種はこちらの3種類。

・ランブルスコ・ディ・ソルバーラ
・ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ
・ランブルスコ・ディ・サラミーノ・ディ・サンタ・クローチェ

ピノ・ノワールのようなソルバーラ、赤ワインのようなグラスパロッサ、両方の良さを楽しめるサラミーノ。それぞれの魅力を飲み比べるのも楽しいです。

2周回ってイタリア、食の都の赤い泡

Medici Ermete

生産者:メディチ・エルメーテ
生産国:イタリア/エミリア・ロマーニャ州

シャンパーニュに代表されるスパークリングワインといえば白やロゼが有名ですが、赤い泡があることをご存じでしょうか。

イタリア中部のエミリア・ロマーニャ州で造られる「ランブルスコ」がそれ。愛らしい赤果実の風味と渋みの少なさでビギナーでも安心の美味しさというだけでなく、美食の国イタリアでも「食の都」として名高いエミリア・ロマーニャ州のワインだけあって食事との相性が抜群。イタリア料理といわれて連想するパルマハムやパルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ボロネーゼソースはどれもエミリア・ロマーニャ州が発祥ですが、そんなイタリア食材はもちろんのこと、幅広い料理とよく合うので使いやすさも抜群です。さらに普通のワインより少しアルコールが低いので、スルスルと飲めてしまうという始末。

そんな愛すべきランブルスコの完成度を極限まで高めたのが、かのメディチ家の末裔が経営するワイナリー「メディチ・エルメーテ」です。ランブルスコで初めて大量生産ではなく、単一畑でのブドウ栽培を取り入れて品質を磨いた結果、カジュアルなワインが永遠の輝きを持つことになりました。気さくなのに超一流というところがたまりません。

The owner and 4th generation, Alberto Medici