カタルーニャの職人が造る自然派カバ

Orio Rosal

生産者:オリオ・ロサル
生産国・産地:スペインカタルーニャ地方

17世紀の瀟洒なエステイトをぐるりと囲むように広がる自社畑では、完全有機栽培が実践されていて周囲に農薬をまき散らす隣人もいない。朝日が昇る前の涼しい時間に収穫されたブドウは、そのまま目の前のセラーに持ち込まれてすぐに圧搾されてワインになり、ワインができたら瓶詰めして酵母とショ糖を添加したらあとは瓶内二次発酵できれいな泡ができるまで地下深くのセラーで時を過ごす。ワインにはモストフロール(モストの花)と呼ばれる第一搾汁だけを使い、ルミュアージュ(動瓶*)の工程は今でもすべて専門の職人により手作業で行われている。それなのに・・・安い。

ワイン名:ダミア カバ ブルット
味のタイプ:白・辛口
ブドウ品種:シャレロ、マカベオ、パレリャダ

ワイン名:ダミア カバ ブルット ロゼ
味のタイプ:ロゼ・辛口
ブドウ品種:ガルナッチャ、ピノ・ノワール

Damia Cava Brut
Damia Cava Brut Rose

★動画:ルミアージュ(動瓶)の様子

ピカピカ

写真はワイナリーでいただいたピカピカ。ちょっと小腹を満たすときの軽食をカタルーニャではこう呼びます。軽食とはいえ豪華ですね!カタルーニャの朝ごはんもほとんどこんな感じで週末のブランチにはカバも楽しみます。ダミアのカバは(特にロゼ)食後のデザートにもよく合いますよ。こちらでスイーツとの楽しみ方もご紹介しています。Check it out !ジプシーの腕はいろんな味

パスタのパエリア、フィデウア

フィデウア / Fideua

お料理上手なボデアガス・アスル・イ・ガランサの醸造家、ダニーさんのレシピです。パスタで作るパエリア、「フィデウア(Fideua)」は、カタルーニャ語でパスタ料理のこと。主にカタルーニャ地方の沿岸地域で人気の料理で、バーベキューのようにアウトドアで楽しまれることもよくあります。お米を忘れた漁師が船の上で作ったのがはじまりとか。スペインにはフィデウア専用のフィデオというパスタがありますが、日本では手に入り難いので、カッペリーニで代用しても大丈夫。炊き上がったらサルサ・アリオリをかけてお楽しみください!これがあるのと無いのとでは大違いです。

材料(10人分):
 魚介のアラ・・・2kg(頭、骨、カニなど出汁を取るため)
 人参・・・3個
 玉ねぎ・・・3個
 塩
 フィデオ・・・3kg
 イカ・・・2kg
 エビ・・・1kg
 アサリ・・・500g
 にんにく
 オリーヴオイル

1  材料を切り35分間茹でてスープストックを作る。
2  大きなフライパンにオリーヴイルを熱し、海老を焼いて取り出す。
3  次に同じフライパンで小口に切ったイカを炒め、にんにくのスライスを入れる。
4  フィデオを黄金色になるまで揚げ焼きにする。
5  スープストックを足して水分がほどよくなくなるまで煮る。
6  お皿に取り分け、アリオリ・ソースを乗せて出来上がり。

サルサ・アリオリ / Salsa Alioli

すべての材料をブレンダーで攪拌してマヨネーズのようになったら完成です。

卵・・・2個
ひまわり油・・・500ml
にんにく

地下12メートルで泡に専念ならもう安心

La Maison Louis de Grenelle

生産者:ルイ・ド・グルネル
生産国・産地:フランス・ロワール地方ソミュール

スパークリングワイン造りは高度なテクニックが要求されるから、泡専門と聞けば最初のハードルはまずクリア。北フランス・ロワール地方ソミュールのルイ・ド・グルネルは、1859年に設立された今なお続く数少ない家族経営のワイナリーで、設立以来、ずっと真摯にクレマン(シャンパーニュと同じ伝統製法によるスパークリングワイン)に向き合っている。

圧巻は設立当時にトゥファ(石灰華)層を削り出して造られたクレマン専用のセラーと、15世紀の採石場跡を利用した地下12メートルにあるカーヴ。冷たい空気と静けさに満ちた空間で人の手により丁寧に育まれ、そして眠りについた極上の泡。そんなシーンを思い浮かべて飲むと美味しさもひとしお。

Louis de Grenelle Saumur Grande Cuvée Brut NV
祝祭の始まりを告げる美しいゴールドラベルのグラン・キュヴェは、5つあるクレマンコレクションのなかでも、「Collection Raffinement(洗練)」にカテゴライズされる上級品。24か月と規定より長い熟成を経てまとうカラメル漬けした桃やマルメロのような果実感や、ヘーゼルナッツやアーモンドの風味にアカシア蜂蜜のニュアンスにブリオッシュ香の漂う豊かな味わい。前菜だけでなく、フォアグラやバターを効かせた魚のグリルなどメインデッシュにも合わせて楽しみたい。シャンパーニュでは大げさで、でもクラス感のある泡が欲しいシーンに最適。

タラのサルサヴェルデ

白ワインに良く合うスペインでも人気のバスク料理。とっても簡単です!

タラのサルサベルデ/Bacalao en salsa verde con almejas

材料(2人分):

 タラの切り身:2枚(一切れ150g程度)
 アサリ:10個
 ニンニク:1片
 小麦粉:小さじ1
 白ワイン:小さめのグラス1/2杯
 水:グラス1杯
 オリーヴオイル
 塩、パセリ

作り方

1)刻んだニンニクをオリーブオイルで炒め、きつね色になったらアサリと小麦粉を入れる。

2)タラに塩を振り、別のフライパンで身から先に焼く。

3)白ワインを注ぎ、刻んだパセリと水を注ぎ約5分間煮る。最後にあさりのソースを合わせて、刻んだパセリを入れ勢いよくソースと絡ませる。

この爽やかさ、まるで大西洋の風!

グラスから溢れるハーブや柑橘の香り、カランカランとグラスに触れる涼やかな氷の音。今や世界的に人気が過熱するアルバリーニョだが、そのアルバリーニョ(それも極上の)をベースワインにしたベルムットが“食事に合うテロワール系ベルムット”、エントロイドだ。

「世の中に品質を追求したベルムットがほとんどない。それなら自分たちで作ってしまおう!」。ベルムットが大好きなアデガス・バルミニョールが、そう考えて4年の歳月をかけて地元ガリシア産のハーブを厳選し、ベースワインにこだわって本気も本気で取り組んだ。だから美味しい。週末にのんびりと一杯。ランチやディナーの前に仲間とわいわい話しながらまた一杯。リフレッシュのマストアイテムとして傍においてはどうだろう?

【ベルモット/ベルムット】白ワインに香草やスパイスを漬け込み酒精強化したフレーバードワイン、ベルモット。スペインではベルムットやベルムーという名前で親しまれてします。ニガヨモギを使うことが必須で、この名称はドイツ語のwermut(ニガヨモギ)に由来していると言われています。ハーブ系のお酒は食欲をたまらなく刺激する独特の心地よい苦みがあり、そのため本来は食前酒として楽しまれてきました。一時は下火になりましたが、スペインでは2015年頃から若者の間でベルムット人気が再燃しています。

エントロイド ブランコ/Entroido Blanco: Albarino 100% plus fresh herbs from Galicia

エントロイド ブランコ(白):厳選した22種類のハーブが漬け込まれたブランコには、アカキナなどガリシア地方に生育しないもの以外はすべて地元産を使用。意外に控えめなトップノーズにはシトラスやフェンネル、月桂樹の香りが隠れ、のど越しにぎゅっと凝縮した美味しさが流れ込む。これがベルムット?と思うだろう。そう、それが造り手のコンセプトだ。

★良く合う食材:ドライフルーツ、ムール貝、ツナ、サーモン、ナチュラルチーズなど。

凝縮感のあるブランコなら高品質の白ワインさながらに、前菜からメインディッシュまで食事を通して楽しめます。メインは魚、鶏など白身のお肉、またはお肉や野菜のパイなど。野菜の素揚げや天婦羅などもよく合います。

★22種類のハーブたち:赤キナ樹皮抽出物、ホップ、ローズマリー、ニガヨモギ、ジュニパー、ショウガ、ペパーミント、ノコギリソウ、セイヨウトウキの根、バニラ、カルダモン、レモン、フェンネル、月桂樹、バラ、シナモン、ユーカリ、ルバーブ、コリアンダー、オレンジ、カモミール

エントロイド ロホ/Entroido Rojo: Albarino 100% plus fresh herbs from Galicia

エントロイド ロホ(赤):ブランコと同じ製法で造られてるロホ。違いは色合いとハーブの種類。ベースの白ワイン(アルバリーニョ)に色素で着色しているのだが心配ご無用。すべて本物にこだわるから自社畑の黒ブドウの果皮から色素を抽出するという手間暇をかけている。ハーブは12種類*とブランコより少ないが、香りは圧倒的。トップノーズに開く柑橘系の香りは苦味を伴いまるでグレープフルーツのような爽やかさを感じながら、バニラを想わせるふくよかなニュアンスがじわじわと広がっていく。ああ、もう虜!

★良く合う食材:アンチョビ、イカの墨、タコ、甘いデザートなど。

ロホは少しカジュアルダウンして気さくなおつまみもお勧め。生ハム、チーズ、トルティージャ(卵とジャガイモのスペインのオムレツ)、コロッケ、ボケロネス(小魚の酢漬け)などのタパスや、日本の居酒屋メニューみたいなものが簡単でお勧め。焼き鳥とエントロイドなんて想像しただけで至福です。

12種類のハーブたち:赤キナ樹皮抽出物、ホップ、ローズマリー、ニガヨモギ、ジュニパー、ショウガ、ペパーミント、ノコギリソウ、セイヨウトウキの根、バニラ、カルダモン、レモン

★動画:生産者さんの解説が視聴できます→エントロイド ブランコエントロイド ロホ

美味しさの源は大西洋のはじける笑顔

Adegas Valmiñor

生産者:アデガス・バルミニョール
生産国・産地:スペイン、リアス・バイシャスD.O.

スペイン人は誠実でありガリシア人はそれ以上。D.O.リアス・バイシャスに今や数軒残るのみとなった生粋のガリシア人によるワイナリー、アデガス・バルミニョールは、1997年に創設者のカルロスが一代で築いたワイナリー。カルロスを中心にスタッフがまるで家族のように仲が良く、訪問者を友人のように迎えてくれる。

バルミニョールというワイナリー名は、カルロスが住む渓谷から取ったもの。実はこの渓谷、コロンブスがアメリカ大陸から帰国した際に3隻の船が着いたという歴史スポットでもある。産地の最南端(リアス・バイシャスに5つのサブゾーンがある)、ミーニョ―川を挟んでポルトガルと国境を接するオ・ロサルにあり、この辺りは河口から広がる大西洋とほとんど水平のようなスペインでは珍しい標高の低さが特徴だ(リアス・バイシャスという産地名は低いリアス式海岸という意味)。

大西洋の冷涼な風を受けて、4つの区画に分かれた34ヘクタールの畑からアルバリーニョ種を中心に国際的には幻のソウソン、ブランセリャオ、カイニョ・ティント、カスタニャルといった地元の“文化財”の栽培にも熱心なのだが、とにかくどれ飲んでも美味しい。それに樽発酵・樽熟成のアルバリーニョやベルムット(極上のアルバリーニョがベースワイン!)のような変わり種を造ったって、彼らが造るならちゃんと理由があり、それは絶対に美味しいということは飲む前から分かっている。知識、献身、情熱、そして愛情がワインを生み出す原動力となっていることは、ここで働く人々の笑顔にちゃんと書いてある。

Vineyard site: Catuxa
Vineyard site:  Figueiró 

★動画: Short Tour

★かもめの本棚『ワインと旅するスペイン』:連載第6回スペインの異世界ガリシア(下)