コラーゲンぷるぷるシュバイネハクセ

見た目豪快、味も豪快なことが多くてびっくりするドイツのお肉料理ですが、豚の骨付きすね肉をコトコト煮込んでからゆっくり焼き上げるバイエルン地方の郷土料理「シュバイネハクセ」は、油っこさがあまりなく、皮はカリカリ、身はプルプルでとても美味しくいただけます。付け合わせの定番、ザワークラウトの酸味が心地よく、水代わりのビールと頂くのでボリューミーな一皿もあっという間に平らげてしまいます。

ワイン屋の職業病で、つい「どんなワインが合うかな?」と考えてしまいますが、いい意味でドイツらしい無骨さのあるこの料理にはやっぱりビールがいいなと思います。

カリカリベーコンにひと工夫

冬の愉しみ、心が温まる林檎&塩キャラメルソース

憧れの生ハム&無花果を

EdCがもっと美味しくなる魔法のヨーグルト

洋梨&Batch#1とブルーチーズのドレッシング

  1. 耐熱ボウルにブルーチーズを入れて電子レンジで温める
  2. オリーブオイルを少しずつ加えて混ぜ合わせる
  3. コンフィチュールを加えて味のバランスを見る
  4. レモン果汁とはちみつでお好みの酸味と甘みに調整する(※レモン果汁とはちみつはコンフィチュールに入っているので入れすぎに注意)
  5. 塩、黒胡椒で整える

ワイン街道のレストラン「カ・ラルケ」~冬の風物詩カルソッツで大笑い

寒さの残る3月初旬、「ぎりぎりセーフだから予約しといたよ!」と連れていかれたのは、バルセロナにあるカタルーニャ料理のレストラン、カ・ラルケ。レバンテ地方(死ぬほど暑いスペイン東南部のワイン産地)でワイナリーをしている友人が、カタルーニャ地方の冬の風物詩、黒焦げの長ネギ(正確には新玉ねぎの一種)「カルソッツ(Calçots)」を食べるというエンターテイメントを用意してくれました。本来は冬に剪定したブドウの枝を使って野外で焼き上げるバーベキュー料理ですが、噂の名物料理が街中のレストランで食べられるとあって他県出身のスペイン人もワクワクが止まらない様子で付いて来ます。

テーブルについたら紙エプロンで胸元を防備して、仲良くパン・コン・トマテ(パンにトマトを塗ったカタルーニャ地方の定番メニュー)を作ったところで準備OK。真っ黒に焦げたカルソッツの大皿が運ばれてきたら、焦げた皮を剥いてロメスコソース(ナッツやパプリカ、トマトを使ったカタルーニャ地方の万能ソース)につけ、ナイフやフォークは使わずにそのまま口に運ぶのが作法です。味は焼ネギ。そう、カルソッツが気になるメニューなのはこの“お行儀の悪い”食べ方と、次の日を台無しにするほどの強烈な臭いのせいなのです。ワインのプロにとっては大問題なのですが、「明日は誰にも会えないよ!」とみんなで大笑いしながら食べたくてソワソワと集まるのかも知れません。

さて、カルソッツがどんなに楽しくてもこれだけでは夕食は終われません。レストランではサルシッチャス(ソーセージ)や羊のアサード(炭火焼)、クレマカタラーナ(クレーム・ブリュレに似たカタルーニャ地方のデザート)がセットになったカルソターダというセットメニューに、地元カタルーニャのカバや赤ワインを合わせるのが定番です。特にいい意味で田舎らしいワインがよいでしょう。素朴で美味しい料理に旅気分満載のカルソッツは、12月~3月末くらいまでがシーズンです。

【Tips】青ネギのように見えて実は玉ねぎというカルソッツは、バルセロナから内陸部に来るまで1時間ほどの所にあるタラゴナのバイスが発祥の原産地呼称制度で保護された野菜です。地元では毎年1月最後の日曜日に開催される「カルソッツ祭り」も有名だとか。農家さんの誇りと情熱が伝わってきます。

Ca L’Arque
住所:Carrer d’Arnús, 87, 89, 08911 Badalona, Barcelona, Spain
Tel. +34 934 64 12 22

神々の遊び「繊細系フレンチとシェリー」-2023 Dec.

冬の心を温めるカタルーニャ風アンコウのスープ

アンコウのスープ/Susquet de Rape

寒い季節の定番、心も身体も温まるあんこうを使ったカタルーニャ地方のスープです。

材料
 アンコウの肝
 ピカーダ(アーモンドスライス、トースト、にんにく)
 ポロネギ
 人参
 パセリ
 玉ねぎ
 にんにく
 セロリ
 じゃがいも
 パプリカ
 トマト

事前準備:
1 アンコウとアンコウの骨を用意する。皮は取ってもらう。
2 アンコウの骨、ポロネギ、ニンジン、パセリ、玉ねぎ、にんにく、セロリでフュメ(出汁)を作る

準備:
1 小さく切ったにんにくやパセリをオリブ―オイル(ほんの少し)で揚げる。
2 にんにくやパセリが黄色になった頃、パプリカを入れて動かす。
3 フュメ(1L~1.25L)を入れる
4 じゃがいもを一片に切って少し潰し、スープに入れて中火/弱火で20~25分煮る。

5 フライパンでアーモンド、にんにくを揚げる(焦げないように注意)。キツネ色になったら乳鉢に入れる。
6 同じフライパンに残ったオリブーオイルでパンを焼き、乳鉢に入れる。
7 5と6をよく潰し、ピカーダを作る。
8)スープを火にかけ25分ほどしたらアンコウを入れる。
9)アンコウを入れて5~10分したら(アンコウの大きさによって時間を調整)、ピカーダを入れる。さらにトマトを加えて動かしながら約10分煮る。

慣れたらお味噌汁のように簡単です。「どんなワインが合うの?」と思った方、ご連絡下さい!

世界遺産アビラの銘菓にキミを想う

ジェマ・デ・サンタ・テレサ/Yamas de Santa Teresa

黄色くて丸い満月のようなフォルムがかわいい「ジェマ・デ・サンタ・テレサ(聖女テレサの黄身)」は、マドリッドから1時間ほどのところにある世界遺産の城壁都市、アビラの銘菓です。卵黄と砂糖のシロップを練り上げて丸めた素朴なお菓子ですが、19世紀中頃に商業生産が始まるとたちまち大ヒットとなり、一時は卵黄が足りなくなるほどの人気だったとか。アビラのお菓子なので別名「ジェマ・デ・アビラ」としても知られています。

11世紀に築かれたアビラには美しい城壁都市を求めて世界中から観光客が訪れます。ヨーロッパで最も保存状態が良いという名所なのに、真夏のスペインで無謀にもワイナリー巡りを強行した帰りに友だちが連れて行ってくれただけの私には、そんな友人の優しさと疲れを癒してくれた黄色くて甘いお菓子の記憶しかありません。

自分で調べて行く旅に比べて誰かに連れて行ってもらう旅の記憶がいかに薄いことか。どんなに価値あるものでも知らなければそれまでのこと。一瞬の旅ならそれでも良いかもしれないけど、旅にも似た人生がこんなだったらどうしよう。

いいえ、私にはジェマ・デ・サンタ・テレサの美味しい記憶があるから大丈夫!スペインではイースターやクリスマス、そして名前の由来にもなった聖女テレサの日、10月15日のお祝いに食べるそうです。日本なら、お月見団子の代わりにして美味しい甘口ワインと楽しむなんていかがでしょうか?

材料:

 卵黄・・・8個分
 グラニュー糖・・・100g
 水・・・80ml
 粉砂糖・・・80g
 レモンの皮

1  鍋に水、レモンの皮、グラニュー糖を入れて中火でかき混ぜシロップを作る
2  シロップができたら鍋を火から下ろし、レモンの皮を取り出す
3  卵黄を鍋に入れる
4  シロップに卵黄を少しずつ入れてよく混ぜる
5  鍋をもう一度弱火にかけて、ほんの少し固まるまでゆっくりとかき混ぜる
6  バットに広げて粉砂糖をまぶしてよく冷ます
7  手で小さく丸めて飾りの粉砂糖をまぶしたら出来上がり