究極のペドロ・ヒメネスと狂気のブランデー

from left, Pedro Ximénez, Brandy Diez Mil Botellas, Brandy Tres Mil Botellas

Pedoro Ximénez Muy Viejo
ボデガス・ヒメネス・スピノラ シェリー ソレラ1918
(写真左)

Diex Mil Botellas Brandy Criaderas
ボデガス・ヒメネス・スピノラ ブランデー クリアデラス
(写真中央)

Tres Mil Botellas Brandy Solera 1948
ボデガス・ヒメネス・スピノラ ブランデー ソレラ 1948
(写真右)

プロフェッショナリズムの頂点、キューバシガー専用ブランデー

CIGARS CLUB BRANDY

シガーズクラブ ブランデー

マドリッドに本拠を置く会員制の名門シガークラブ、インターナショナル・クラブ・パッション・ハバノスでも、特に最上級の会員を喜ばせるために造られた比類なきブランデー。キューバシガー最高峰のエキスパートたちが選び抜いた指定のハバノス(キューバシガー)に、寸分のずれもなく完璧にマッチさせる酒を意図している。

年産わずか350本。それがごく少量ながら、日本で楽しめるという幸運。深遠なるハバノスの世界は大人の瞑想である。

from left, No.1, No.2, and No.3

BRANDY CIGARS CLUB Nº1
シガーズクラブ ブランデー No.1 (700ml・Alc43.25% – Edition 15)

“ソフトシガーをお好みの方に”
シガーズクラブNo.1は主にドミニカ産やニカラグア産(一部のキューバ)のようなライトでマイルドなシガーに完璧に合うスタイルを追求しました。シガーと蒸留酒のバランスではなく、苦味や収斂性がほとんどない滑らかなシガーに適応していることが重要です。


“Para los amantes de los cigarros suaves…”
Hemos buscado un perfecto «acompañante» que mejore la fumada de los cigarros de intensidad baja, fundamentalmente la mayoría de los dominicanos, nicaragüenses y algunos habanos. No es una cuestión de equilibrar el destilado, sino de adecuarlo a la fumada perfecta de una cigarro untuoso y poco astringente… -José Antonio Zarzana – Viticultor

BRANDY CIGARS CLUB Nº2
シガーズクラブ ブランデー No.2 (700ml・Alc 45.17%-Edition 15)

“バランスの取れたシガーをお好みの方に”
シガーズクラブNo.2はシガーズクラブの中でも最も難しい商品です。なぜなら“バランスの中のバランス”を求めているからです。つまり、ドミニカ産、ニカラグア産の最もボディの強いシガーに合うと同時にミディアムのキューバシガーにも合わなければなりません。高度に均一化されたソレラの中にもわずかな違いを持ちこの厳しい条件を満たすものがあるのです。


“Para los amantes de los cigarros equilibrados…”
Este es posiblemente el más difícil de obtener entre los Cigars Club de nuestra Casa y eso es precisamente porque lo que estamos buscando es «el equilibrio dentro del equilibrio». Es decir que tiene que acompañar a los cigarros dominicanos y nicaragüenses más intensos y al mismo tiempo a los habanos de fortaleza media. Todo ello sin dejar de ser un destilado de grado dispar dentro de una Solera muy homogénea. – José Antonio Zarzana – Viticultor


BRANDY CIGARS CLUB Nº3
シガーズクラブ ブランデー No.3 (700ml・Alc47.15% -Edition 15)

“凝縮感のあるシガーをお好みの方に”
必然的に、ボディの強いシガーになると完璧に合う蒸留酒がほとんど無いという問題に直面します。一見不釣り合い見える凝縮感とタンニンが必要になるのです。シガーズクラブNo.3は最もボディの太いシガーと合わせると感覚的には全く凝縮感もタンニンも感じさせないのです。

“Para los amantes de los cigarros intensos…”
Lógicamente cuando un cigarro adquiere una fortaleza muy alta, nos encontramos ante el problema de no encontrar fácilmente el destilado perfecto para acompañarlo. En realidad hace falta la intensidad y unos taninos que inicialmente pueden parecer desproporcionados, aunque no lo son organolépticamente, cuando se combinan con los habanos más intensos y recios. -José Antonio Zarzana – Viticultor

注)シガーズクラブにはソレラシステムから引き抜いた年を示すエディションナンバーがありますが、ソレラシステムという性質上、生産工程は毎年全く同じです。選別においても、同じ味わいを基準としているためエディションによる官能的違いはありません。

その上でエディションがもたらす違いは2点:

  • アルコール度数 : エキスパートたちの選別は全て完全なブラインドテイスティングでなされます。その為アルコール度数を知る由はありません。
  • 葉巻の銘柄 : アルコール度数が違うため、葉巻の銘柄が一部異なります。

このわずかな違いはエキスパートでなければ感知できない非常に高度な世界であり、それがシガーズクラブの価値そのものです。

<開発の背景> ブランデーはワインを原料とする蒸留酒であり、原料の高貴さから多くの専門家が葉巻と最も相性がよいと認めているアルコールである。2002年、葉巻愛好家のための特別なお酒を求めていたアルタディス社(スペインの葉巻メーカー)が、ボデカス・ヒメネス・スピノラのブランデーに目を留めて共同開発が始まった究極のブランデー造り。後に同社を合併したインペリアル・タバコ社に引き継がれ、2014年、遂に「シガーズ クラブ ブランデー」として完成した。最高峰のプロ集団をもってしても気の遠くなるような試飲、熱い議論、物議を醸す決断を経て3種類が用意され、毎年リリースの度にエディションに合わせて90銘柄以上のキューバシガーが至高のペアリングとして発表されている。

ソレラ 1918、誇り高き100周年復刻版に時の流れを想う

PX Edition Conmemorativa

1918年も暮れる頃
この年のシェリーを仕込んだワイナリー現役最古のソレラシステムが設置されました
 
漆黒の文字が刻まれた控えめな白いラベルをまとい
幾年もの収穫と情熱的な献身にささえられ
激動の時代となった20世紀の歴史をじっと生き抜くこと百年
遂にこのシェリーは誕生から一世紀を迎えます
 
こうした背景から
もともとの白黒ラベルと昔ながらのヘレス瓶
ただ一つの付加価値はその中身というオリジナルの簡素な佇まいを
復刻版として蘇らせたいと思いました
 
この簡素さこそが
今日に続くヒメネス・スピノラの名を有するわたしたちのワインの品質を形作ってきたのです

- 9代目当主ホセ・アントニオ・サルサナ -

ソレラ 1948が育む狂気のブランデー、栗樽12年熟成

Bodegas Ximénez -Spinola Diex Mil Botellas Brandy Criaderas

あらゆる事柄が規格外のヒメネス・スピノラでも、本当にどうかしていると思う逸品がこれ。頂点を極めたペドロ・ヒメネスを蒸留したブランデーだ。「あれだけ懸命に育て上げたペドロ・ヒメネスを、原料として蒸留する瞬間は今でも心が痛みます」とは、9代目オーナー、ホセ・アントニオの言葉である。

このブランデーは第二次世界大戦後、貧困を極めたスペインで物が全く売れないという異様な時代に誕生した。ヒメネス・スピノラのような極上品の蔵元にとってその痛手は凄まじいものだったが、それよりも精神的に辛かったのは自然が毎年素晴らしいブドウを実らせてしまうこと。そして1948年、遂に仕込み用の樽のストックが底を尽きてしまった。

追い詰められた先々代が講じた秘策がワインを蒸留して量を圧縮すること。それをブランデー専用のソレラシステム「サン・クリスティノ 1948」を設けて詰め込んだ。7代目の名を冠した小さなソレラシステムは、栗樽とアメリカンオーク樽で構成されている。

現地名はDiez Mil Botellas (ディエス・ミル・ルボテジャス)。1万本という名のとおり、年間生産量1万本。余白を含めてそれ以上抜くとソレラシステムが崩壊してしまうという限界ギリギリの数字だ。

栗樽で構成されるクリアデラス部分で12年熟成、さらに1年の瓶熟を経て出荷される唯一無二のブランデー。柔らかな口当たり、栗由来の淡い色合いと繊細な香りを纏い、デザートやチョコレートとの相性も素晴らしい。アルコール40度の蒸留酒をこんなにもたおやかに飲めてしまうことに、ただただ感動が止まらない。

“Elaborado a la vieja usanza…”
Destilar Pedro Ximénez no es fácil. Extraer los matices de sus aromas y hacerlos permanecer en tonel de Castaño, parece atípico. Sin embargo, lo más complicado es hacer que la sedosidad de los tostados y el recuerdo de las pasas se integren con el alcohol. Aquí está el resultado.

José Antonio Zarzana – Viticultor

ソレラ 1948が育む狂気のブランデー、2段階25年熟成

Bodegas Ximénez Tres Mil Botellas, Brandy Solera 1948

常軌を逸したブランデー クリアデラスには実はまだ続きがある。クリアデラス部分で12年の熟成を経たブランデーは、次にアメリカンオーク樽のソレラ部分でさらに13年間熟成される。

完成まで実に25年。ボデガの仕事に人生を捧げた人々の情熱の結晶が、このブランデーだ。現地名はTres Mil Botellas (トレス・ミル・ボテジャス)。3,000本を意味し、これ以上は逆立ちしても造れない。

このブランデーは最後の13年間のアメリカンオーク樽熟成で、濃厚な琥珀の色合いと天日干しブドウと樽がもたらす原料由来のわずかな甘みをまとう。力強くまろやか。急いで飲む必要がどこにあるだろうか。

“La plenitud de un perfume que se bebe…”
Concentrar los sabores y aromas de un vino puede ser entendido como el anhelo de todo viticultor. Destilar su esencia misma, es un placer mayor aún que el de la propia fermentación. Por eso desde 1948 este Brandy está considerado un perfume que se puede beber.

José Antonio Zarzana – Viticultor

長い歴史が磨くブドウのエッセンス シェリー ペドロ・ヒメネス ソレラ 1918

Bodegas Ximénez Spínola PX MUY VIEJO

優れたワイナリーは数多あれど、こんなワイナリーには滅多に出会うことがない。やることなすことすべてが規格外だか、そもそもワイン造りが変わっている。シェリーの聖地ヘレス・デ・ラ・フロンテーラにあって設立以来300年以上、辛口シェリーには目もくれずペドロ・ヒメネスだけに特化してきた。近代化の波にもついぞ飲まれることなく、今も昔ながらの手仕事を貫いて、本物の極甘口造りに没頭している。

100%天日干し。酒精強化もせず、カラメライズもせず、一切の調整をしない。

ボトルをかざすと、サラサラとした琥珀色の液体が見えるだろう。甘い物が貴重だった時代の本物のペドロ・ヒメネスだ。まるで干しブドウが液体となって空中から口の中に入ってきたかのような甘味はあくまで天然。きれいな酸に支えられて、すぐに次のグラスを傾けしまう。ブドウ栽培にどれだけ配慮したかは推して図るべし。

年間生産わずか8,000本強。1918年以来受け継がれるヘレス最小のソレラシステムで、15年の歳月をかけてゆっくりと育まれる。すべてのラベルにオーナー、ホセ・アントニオ・サルサナ氏の直筆サインとシリアルナンバーがついている。

“El oficio de nuestros mayores…”
Corría el año 1918 cuando esta Solera vio la luz. Cuatro generaciones de la misma familia han trabajado en mantener la cuenta de envejecimiento de cada gota de este vino. Más que un producto en sí mismo, es un deseo de continuidad. Un oficio heredado de padres a hijos.

José Antonio Zarzana – Viticultor

ソムリエが心酔する異例づくしの白ワイン

Bodegas Ximénez Spínola Exceptinoal Harvest

その名の通り「エクセプショナル・ハーヴェスト(異例な収穫)」が起こした奇跡のワイン。極甘口シェリーの要である21日間の天日干しが一段落したある日、ボデガス・ヒメネス・スピノラの9代目ホセ・アントニオはブドウ畑に摘み残されたブドウの樹々眺めてこう思った。「(ペドロ・ヒメネスの小さなソレラシステムに入りきらず)これまでやむなく収穫せずに処分していたこの見事なブドウを使って、シェリーではなく普通の白ワインを造ったらどうなるか?」。
その思いに駆られ始めて挑んだ白ワイン。出来上がったのは甘口なのか辛口なのか、白ワインなのかペドロ・ヒメネス シェリーなのか誰も判断がつかないが、とにかく素晴らしい。かつてこのブドウ品種がリースリングだったことを仄めかす芳香と酸のある官能的な白ワインになった。

“Uva madura encerrada en una botella…”
Hubo un tiempo en el que los vinos blancos con fructosa natural, eran patrimonio exclusivo de las vinificaciones Centroeuropeas. Sin perder las tradiciones del Viejo Continente, se hace este vino en una tierra donde nunca una botella de vino, encerró tanta uva madura.

José Antonio Zarzana – Viticultor

“例外”を超えた残糖2g/ℓのペドロ・ヒメネス

Bodegas Ximénez Spínola Fermentacion Lenta

ボデガス・ヒメネス・スピノラの9代目が辛口の白ワインに挑んだエクセプショナル・ハーヴェストには、ペドロ・ヒメネス種というブドウ品種の糖度の高さゆえにまだ18g/Lの残糖がある。「不可能と言われたペドロ・ヒメネスの完全発酵を成し遂げたい」と研鑽を重ねた結果、醗酵を少しずつゆっくりと確実に進めることで遂に出来上がったのがフェルメンタシオン・レンタ。編み出した醸造法から取ったワイン名は、「遅い醗酵」という意味だ。

“Encontrando los orígenes…”
Nadie creía que se pudiese hacer un vino tan seco con uva Pedro Ximénez. Nadie pensó que quizás sería uno de los vinos blancos más expresivos que se podrían catar. Las calidades y el acabado de un vino dependen de la nobleza de su origen. Aquí es donde empieza todo.

José Antonio Zarzana – Viticultor

“失敗”から生まれたあまりに美しいシェリー

Ximénez Spínola Old Harvest

ソレラ1964に眠る奇跡のシェリー。これが失敗の産物だと知って驚いた。1964年、訳あって人手が足りずいつもより3日間余分に天日干ししてしまったブドウがあった。当然ペドロ・ヒメネスには使えないが、かといって捨てるのも忍びない。新たにソレラシステムを築き取り敢えずワインを仕込んでみた。

偶然、ヒメネス・スピノラのセラーにはアルコール耐性において世界最強の蔵付き酵母がいて、できてみてばアルコール度数17%。オロロソタイプのシェリーになった。味は極上、歴史上誰も経験したことのないペドロ・ヒメネスのオロロソだ。

このシェリーは彼らにとっては不完全品で、2010年まで一族だけで自家消費していた。しかしあまりに美しいものはいつか世に出る運命にある。ため息の出る名品。

“El equilibrio de la Solera eterna…”
Iba a ser zumo de pasas, pero nació de una deshidratación incompleta durante la vendimia de 1964. Han pasado los años… Su evolución y equilibrio son tan positivos, que hoy sería imperdonable no seguir elaborándolo con el saber eterno de las Criaderas y Soleras.

José Antonio Zarzana – Viticultor