古木のいちじく、個人商店の底力

駅前の裏通り、昭和の風情を残す一画にそろそろ肩身が狭そうに(でもそうならないでと願う)佇む小さな漬物屋さん。お漬物の美味しさもさることながら、明らかに“目利き”が選んだ野菜や果物、卵やお米が少しづつ並んでいます。

残暑の頃、スーパーでは一瞬で見かけなくなったいちじくが、ここにはまだまだ山盛りに、それも深くてツヤツヤの色味を帯びて並んでいます。「古い樹でそんなに量が獲れないから、スーパーには卸せないし、うちみたいな個人商店でないとね」とほほ笑むおばあちゃんが、未来の私に見えたのは決して気のせいではない。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *