龍伝説の村の至宝のリースリング

Forster Ungeheuer Riesling GG, Pfaltz, Grosses Gewachs, Germany

生産者:ヴァイングート・フォン・ウィンイング
ワイン名:フォルスター ウンゲホイヤー リースリング GG
味のタイプ:白・辛口
ブドウ品種:リースリング
生産国・産地:ドイツ・ファルツ

かくも美しいドイツの至宝リースリング。その極みの一端がフォルスト村にあるわずか3ヘクタールのグローセス・ゲヴェックス(グラン・クリュ)、ウンゲホイヤーだ。18世紀から20世紀初頭にかけて世界に君臨したこのワインも第二次世界大戦とその後の動乱を経て忘れ去られ、ドイツワインといえば安物という苦難の時代を迎える。しかし、ジャンシス・ロビンソンが著書『ジャンシス・ロビンソンの世界一ブリリアントなワイン講座』でそう述べるように、そこには品質を磨き続けた人々がいた。

“その間も高品質を志向する少数派の頑固なワイナリーは、ドイツの畑でなし得る偉業の証しともいうべきワインを造り続けた” -本文より抜粋-

フォルスター ウンゲホイヤー(フォルスト村のウンゲホイヤー)。ドイツの精神そのものである驚異のクオリティワインは、21世紀の今、再び表舞台に登場した。とてつもなく複雑、計り知れないほどの香り、常識を軽やかに超える長期熟成が約束されている。言うまでもないが、およそリースリングに用いられる月並みな表現はこのワインには当てはまらない。

Tremendously complex, immensely aromatic, enormously age-worthy. No words you would probably use to describe Riesling would not match this wine. That is… Von Winning Forster Ungeheuer Riesling GG!

柔らかくも濃厚。砂漠の花の超絶バランス

生産者:ボデガス・アスル・イ・ガランサ
ワイン名:デシエルト
味のタイプ:赤・フルボディ
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン
生産国・産地:スペイン・ナバーラD.O.

デシエルト/Desierto: Canernet Sauvignon 100%

普通、ワイナリーの最上級ワインといえば玄人受けはすれど、初心者を喜ばせることは滅多にない。味わうには飲み手にもそれなりのレベルが求められるからだ。ところがこの「デシエルト」という赤ワインは不思議とどんな人もギュっと包み込み、虜にしてしまう大らかさがある。その一端は、しっかりと完熟して円やかになったタンニンにあるだろう。赤ワインの渋味が苦手という難関は、すでに解決されているのだ。あとはこの類まれなる凝縮感を味わうのみ。

このワインの造り手「アスル・イ・ガランサ」は、自然への敬意で結ばれた3人の若者が20代の頃に理想のワイン造りを求めて立ち上げたワイナリーだ。そこは量産には向かない常識外れの不毛地帯、スペイン北東部ナバーラにあるヨーロッパ最大の砂漠、ラス・バルデナレス・レアレス近郊。

砂漠から1キロしか離れていないわずか2ヘクタールの単一畑「デシエルト(砂漠)」は、カベルネ・ソーヴィニョンが栽培されている。何を栽培しても凝縮感が圧倒的だったというこの区画に、最も適合したブドウがカベルネだったのだ。厳しい気候の下で、ブドウの房は指でつまむほど小くなり、年間生産量は3000本足らずととても限定的。

ガトーショコラとも至福のペアリング

イカ墨のリゾットやガトーショコラなど、ワインが難しい食べものにもマッチする。いや、ここはシンプルに、大ぶりのグラスに入れて1時間後、3時間後、5時間後と開いていく味わいの変化を楽しむのもよし。

★かもめの本棚『ワインと旅するスペイン』:連載第1回目ナバーラの砂漠がわたしにくれたもの

唯一無二

そこにボトルがあるだけでオーラを放つお酒があり、そんなお酒には人を感動させる力があります。真似ようにも真似ることなど到底できない技とこだわりの上に輝く、唯一無二の味わいをお楽しみください。

We holds a curated portfolio with carefully selected one & only wines and spirits from around the world.

ディスティレリ・ド・パリ - DISTILLERIE DE PARIS
ボデガス・ヒメネス・スピノラ BODEGAS XIMÉNEZ-SPÍNOLA

金紋秋田酒造、熟成酒の世界

京都・祇園「杢兵衛」様にて

生産者:金紋秋田酒造
生産国・産地:日本・秋田県大仙市

こんな残念なことがあるだろうか。香り高い酒が主流の日本ではあまり理解されないという、金紋秋田酒造の熟成酒。ところが日本酒に対する固定観念のない海外では、食中酒としてトップソムリエや美食家たちから高い支持を集めているという。

「米を主食にするアジア人が米を食べるとき、必ずおかずと一緒に食べるのはなぜか」。そんな素朴な問いからスタートした三代目当主、佐々木孝。大手を筆頭に37軒の酒蔵が割拠する秋田県という土地で、佐々木が蔵を継いだとき、そこに新参者が入り込む余地はほとんどなかった。秋田の酒蔵の中で下から数えた方が早かったという小さな蔵元は、結果として固定概念から自由になったのだ。
 
やっぱり米。熟成で得られる深い香りと凝縮した旨味漂う長い余韻は食事の楽しみを増幅し、ペアリングにおけるすべてのマイナスをカバーする。 熟成に対する感度はワインの文化がある欧米の方が高い。これが舌の肥えた欧米市場で認められたのが理由である。

日本酒の本質である旨味を鍛えあげながら、この土地にしかできない酒造りに精進してきた果実が彼らの熟成酒。その深い旨味は多彩な食材の味覚をいっそう豊かに広げ、これまでになかった食文化を見せてくれる。発酵文明のひとしずく。ワインラバーなら間違いなくこの魅力を味わい尽くすことができるはずだ。

★金紋秋田酒造 / Kinmon Akita Sake Brewery→ Short tour

熟成酒の世界

お酒の究極の楽しみ。それは熟成。
手間暇かけて丁寧に造られたお酒には人を感動させる力がある。そんなお酒が、さらに“時間”という得難い味方を得たとしたら?

ワイン、ウィスキー、ブランデー、熟成の魅力。
長い眠りから目を覚ました酒は、ある時ふいに私たちの前に現れる。

もしかしたら造り手本人ですら、
生きている間には味わうことができないかも知れないという浪漫を漂わせながら。

「こんな日本酒があっても良いじゃないか」
この蔵を想うとき、三代目当主、佐々木孝の声が聞こえてくるようだ。

舟(絞り前)

『The Opera Cooks』

Evelyn Rille & Johannes Ifkovits (著)

ホセ・カレーラスのレシピだって載っている。オーストリアだからできたあまりにもマニアックなワイン本!絶対に日本語には訳されないだろうなと確信しています。

レベル:クラシックとワインと料理が相当好きな人

銘菓の実力!さっぱりなのに深い

かるかんというお菓子の存在をすっかり忘れていた私を、感動で包んだ懐かしくも優しい味わい。それが不老軒さんのかるかんです。案内書にはこんな風に書かれていました。

「本菓“かるかん”は九州の銘菓として夙に有名ではありますがそれは特に大分、宮崎、鹿児島の三県に産する山芋(自然薯)が勝れているからです。古来中国では山薬と謂われ貴人に珍重された程滋養に富み、それを原料として“かるかん”は和菓子の醍醐味を十分に満足して戴けるものと存じて居ります。」

何もかも新しい情報でした。丁寧に淹れた緑茶にとてもよく合います。

ご注文はこちら→本舗 不老軒 上人店 Tel. 0977-66-7906(全国各地、地方発送も対応されています!)

『フードペアリング大全』香りで料理を科学する

ベルナール・ラウース、ピーター・クーカイト、ヨハン・ランゲンビック(共著)グラフィック社

届いたときは飛んでもないものを買ってしまったと、一瞬後悔したものの、何気にめくったページに自分が最も欲しかった情報が書いてありました。単なるペアリングノウハウをはるかに超えた、クレージーな本。訳者の和田侑子さんにも乾杯です。

レベル:一握りのプロにのみお勧め

ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ The BAR x ディスティレリ・ド・パリ

日本有数の温泉地、別府に誕生したラグジュアリーリゾート、ANAインターコンチネンタル別府 スパ&リゾート。窓の外に広がる絶景と一体感が味わえるオーセンティックバー、The BARとディスティレリ・ド・パリのコラボレーションで、「イン・ザ・ダーク」と題したイベンをいたしました。

もともとは目の見えない人たちと交流をしようと思って作っていたイベントです。照明を落として視覚に頼らず、嗅覚と味覚を通して「飲める香水」を味わう大人のための寛ぎと発見の時間。わたしたちディスティレリ・ド・パリが、なぜ「飲める香水」と謳われるのか?その神髄を、調香のデモンストレーションを通して体験して頂きました。

日時:2022年12月17日(土) 20:30-21:30「イン・ザ・ダーク
出演:ディスティレリ・ド・パリ ブランドアンバサダー 河野佳代

大人のシュトーレンと飲める香水で祝うクリスマス

真っ白な粉砂糖がホワイトクリスマスを想わせるドイツの伝統的なパン菓子、シュトーレン。白いおくるみを着た幼子イエス・キリストに見えることから、ドイツではアドベント(クリスマスまでの4週間)にイエスの誕生を待ちながら食べる定番のお菓子として親しまれています。

保存も効くので、焼き上げてから(もしくは買ってきてから)アドベントの間、ゆっくりと時間をかけて楽しみましょう。しっかりと包んで保存すれば、練り込まれたレーズンや柑橘類のピール、洋酒に漬けたドライフルーツやナッツが砂糖と馴染んでジワジワと美味しさが染み込んでいきます。

派手さはないけどクセになる。そんなシュトーレンには、ディスティレリ・ド・パリのジンを合わせて見てください。それだけでは重くて甘いシュトーレンも、ジンと合わせることで驚くほどさっぱりと頂けます。熟成が始まったシュトーレンに、ジンをかけて頂くのもお勧めです。

もう一つのおすすめはフレーバーティー。今回はオネテさんにご紹介いただいた「PARIS EST UNE FETE(お祭りのパリ)」を合わせてみました。繊細に重なる香りと茶葉本来のタンニンに包まれて、シュトーレンの甘味が心地よく変化。大人のためのメリー・クリスマス!

Merry Christmas!

ジン ペアリング in Paris

Some examples of amazing food paring with Distillerie de Paris Gin

例えば別々に調理すればワインに合うけれど、組み合わせると途端に合わなくなる素材を敢えて使ったレシピで、ジンなら自由なペアリングができるということを、パリ10区の蒸留所の庭でデモンストレーションしました。