カバとお洒落にスペインのフライドポテト!

パタタス・ブラバス/Patatas Bravas

カリカリポテトが辛味の効いた旨味たっぷりのトマトソースと出会ったら?ーーーみんな大好きな定番タパスになりました。このレシピの始まりはバルセロナやマドリッドなど諸説ありますが、その名を直訳すると「辛いポテト」。といっても、日本人にとってはさほど辛さを感じません。ヨーロッパの人が言う“スパイシー”は、「あれ?」と思うほど穏やかです。

じゃがいもは小口に切って軽く茹でてから揚げるのがコツ。さらに余裕があれば、5分ほど置いてから二度揚げもおすすめです。こうすと中は粉ふきいものようにしっとりと、外はカリッと仕上がります。

ブラバスソースは簡単なので、手作りで自分好みに味を調整してみましょう。アリオリソースをかけると完成です。ビールも良いですが、スペインのカバに合わせるとオシャレですね!

ブラバスソース – Salsa Bravaの材料:
 ・玉ねぎ みじん切り
 ・にんにく みじん切り
 ・トマト缶
 ・パプリカパウダー(辛口)
 ・チリパウダー
 ・パセリ みじん切り
 ・砂糖、塩 少々

オリーブオイルで玉ねぎとにんにくのみじん切りを炒めたら(絶対に焦がさないこと!)、パプリカパウダーとチリパウダーを加えて軽く炒めます。そこにトマト缶を投入し、塩と砂糖を少々加えて煮詰めていきます。トマトの水分が無くなるほど旨味が凝縮するので、お好みで調整してください。滑らかな口当たりがおきなら、最後にブレンダーにかけて仕上げましょう。

アリオリソース – Salsa Alioriの材料:
 ・卵黄
 ・オリーブオイル
 ・塩
 ・レモン果汁(またはシェリービネガー)
 ・すりおろしにんにく

すべての材料をブレンダーにかけるだけ。シンプルなのでぜひ手づくりしてみて下さい。これだけでご飯が何杯も食べられるほど美味しいですよ。

【TIPS】オリーブオイルは必ずエクストラ・バージン・オリーブオイル(EVOO)を使いましょう。EVOOは酸化に強く上質なものだと9回は使えるので、少々高くても案外コスパが良いのです。何より油切れもよく素材がカラッと仕上がるうえにヘルシー。フライドポテトの油もEVOOにすると最高です。もしかしたらこれがパタタス・ブラバスの本当のコツかもしれません。

★おすすめEVOO:パゴ・デ・バルデクエバス エクストラ・バージン・オリーブオイル
カスティーリャ・イ・レオンで見つけたオリーブオイル。「揚げ物に使う勇気がない・・・」という方も、できればブラバソースにはたっぷり使ってみてください。上質のエクストラ・バージン・オリーブオイルは調味料と同じなので、いつものトマトソースの味が格段に変わりますよ!本場では日本人が炒め物に使う5倍くらいの量をドバっと入れるので最初は驚きましたが、今では私もそうしています。

★赤ワインならこちらもCheck!パゴ・カサ・グラン エレガント

ワイン街道のレストラン「エル・パパ」

カタルーニャ地方でワイナリー巡りをするなら立ち寄って欲しいレストラン「エル・パパ」。初めて来たのにどこか懐かしさを感じるこの佇まい。扉を開いて一歩足を踏み入れれば、使い込まれた家具や食器から長く地元の人々に愛されてきたことが分かります。

エル・パパ(お父さん)が誰かというと、1970年代に魚介料理店としてこの店をオープンしたフアンのことだそう。やがて子供や孫たちに受け継がれて、旬の食材を活かした季節ごとの郷土料理と定番のお米料理(カタルーニャ風魚介のパエリア)、スープ、ジビエを提供しています。「お客さんが友だちになる」と彼らが口を揃えて言うように、家に帰ったみたいにほっこりと気取らない絶品料理が楽しめる空間(その上安い!)。ただし・・・、うっかりすると最後に出てくるパエリアに辿り着くまでに、次から次へと魚介料理が出てくるので、大食漢でない限り十分に注意しましょう。

いや、そんなことは織り込み済みでここに宿泊するというのもありです。エル・パパではカタルーニャ風の美しく広々としたお部屋が訪問者を待っています。ワイン産地らしくスイートルームには、シャルドネ、シャレロ*、メルロー、モナストレル、ガルナッチャ、マカベオ*、ムスカ、パレリャダ*とブドウ品種の名前がついるのがまたうれしいところ。ワインラバーとしてはやっぱりカバ品種*のお部屋に泊まりたい。他にもラベンダー(espigol)やローゼル(Rosella)といった、この地方でよく見られる地中海の植物の名前が付いた部屋もあり、中はもちろんそれにちなんだ素敵な配色になっています。

RESTAURANTE EL PAPÀ Y HOTEL RURAL EL MOLÍ DE PONTONS
 Tel: +34 93 898 70 53 (携帯 +34 676 480 077)
 Email: molirural@hotmail.es
 住所: Carretera de Santes Creus 4 08738, Pontons

このバレンシア、とにかくタンニンが素晴らしい。

生産者:パゴ・カサ・グラン
ワイン名:カサ・ベナサル エレガント
味のタイプ:赤・ミディアムボディ
ブドウ品種:モナストレル、ガルナッチャ・ティントレラ、シラー
生産国・産地:バレンシアD.O.

初めて出会ったとき、実は白ワインのクオリティに衝撃を受けたワイナリー。スペイン南東部にあるバレンシア地方は、いわずと知れたオレンジの名産地で、ほかにはウサギや鶏、モロッコいんげんやガジョータ豆の入った本場のバレンシアパエリアと巨大な張り子の人形が登場する火祭りも有名です。こんな血気盛んな風土だから濃厚な赤ワインを想像していたのに。

白ワイン造りにはハンデのある南でこんなに上手に仕上げるなら、赤ワインはさぞ素晴らしいだろう!という期待を裏切らない赤ワイン。飲みごたえがあるのに豊かな果実味と柔らかいタンニンのお陰でスルリと飲めるところが大好きで、名前の通りエレガント。3品種のブレンドも絶妙です。

食卓で大活躍するのは決まってこんなワイン。地元ではランチにパエリアと流し込むこともあるでしょう。ブドウ畑は祖父から(祖父がドイツ人の友人からから白品種を譲り受けた)、ワイン造りは母から受け継いだという現在のオーナー、カルロス・ラソ。バレンシアでも恵まれた気候の南部クラリアノにあるで、有機栽培だけでなく、環境保全にも熱心で敷地内で自然との共生を目指して様々な取り組みをしています。

パゴ・カサ・グランのワインは、我々人間がみな個性を持っているのと同じように、非常にユニークです。

ブドウ畑の畝は花畑

★オフィシャルウェブサイトの翻訳をしました!→Pago Casa Gran

Kinmon Akita Sake Brewery 米の旨みを磨き抜く

Producer: Kinmon Akita Shuzo|金紋秋田酒造
Country/Region: Japan/Akita|日本/秋田県

A NEW CONCEPT: CHALLENGING THE NORMS
Brewed by a modest, local sake brewery whose maxim is “good sake ages well”, X3 AMAIRO was conceived from the principle of “sake food pairing”.
In addition to the adoption of several approaches from the wine industry, such as blending or modern brewing methods, this procedure allows the brewery to create a vast range of unique sake products, totally new both in style and technique. Selective older vintage blends, for instance, provide good examples that validate this doctrine.

RICH IN AMINO ACID
What is unique in “x3 AMAIRO” is the use of Kouji – a rice-malt which is a nationally specially designated fungus in Japan. The proportion of Kouji within “x3 AMAIRO” is three times more than normal – a consequence of which is the production of more amino acid, giving the beverage a value of 2.3.

MIRIN, COOKING SAKE, BY THE WAY
The “fish dish” is as much emblematic of Japanese gastronomy as are Sushi and Sashimi.
The fifth key taste profile, known as Umami (sweet, sour, salt and bitter being the first four) holds an important place in Japanese gastronomy.
The Umami taste is experienced in the variety of Japanese fermented foods such as soy sauce or the fish broth named dashi. This subtle flavour is additionally enhanced by Mirin, itself an essential condiment and very common in many dishes, which is succinctly described as a type of sweet “cooking sake”
A small amount of Mirin is used to either add a bright touch to grilled or boiled fish, to reduce the smell of fish or to help ingredients more readily absorb the Umami flavour.
Due to its high alcohol content and abundance of amylose – which comes from glutinous rice – the savoury balance is rather unsuitable for contemporary drinking although Mirin once had a place akin to Port wine during the Edo period (17th-18th centuries).

KINMON AKITA SAKE BREWERY, “x3 AMAIRO” (photo left)
“x3 AMAIRO” was created to occupy the same role as Mirin yet it is pleasantly smooth on the palate – much like an authentic Junmai-shu – a pure-rice sake made from only rice and water without any distilled alcohol.

When paired with certain foods, that are otherwise usually incompatible with wine – sea urchin or oyster, for instance, the discerning taster will be impressed by “x3 AMAIRO”, especially in how well it brings out the sublime creamy Umami flavour from the sea-urchin and enhancing the taste experience of both the food and the beverage.

A real “food friendly” sake indeed. Whether with a sharp-flavoured blue cheese or to accompany fatty Chinese foods such as braised pork, compatibility is assured.

There is nothing quite like “x3 AMAIRO” but if one had to pick a wine to replace it, Sherry Amontillado from Jerez or the sweet Sauternes are the only candidates.

  • BRAND: x3 AMAIRO
  • BREWERY: Kinmon Akita Sake Brewery
  • RICE: Akita Prefecture Origin MENKOINA
  • AlLCOHOL: 15%
  • RICE POLISHING RATE: 65%
  • SAKE METER VALUE: -24
  • ACIDITY: 2.5
  • AMINO ACIDO: 2.3
  • YEAST: Sake yeast kyokai No.7
  • DRINKING TEMPERATURE: 10-25 degree

この日本酒は、「ワインの様に新しい造り方やブレンドを積極的に実践しないのか?」という独自の考えを持ち、「ペアリング」としての日本酒をコンセプトに酒造りを行う蔵元が醸すお酒です。その為、現代では珍しく積極的に新しい技法での製造や古酒ブレンド商品を開発しています。今回ご紹介するこの商品は、酒の仕込み段階での麹の使用を通常の酒の3倍にしたことで、アミノ酸の生成が活発になり、お酒のアミノ酸値が2.3と非常に高いお酒です。

日本食といえば寿司やお造りに代表される「魚」を食べる文化。
そして、醤油などの発酵食品や出汁に代表される「旨み」を大切にする文化があります。その料理の旨みの引き立て役として、日本で重宝されているのが「みりん」です。みりんには、魚の生臭さを抑えて味(旨み)を浸透させる効果があり、煮魚や魚の「たれ」に調理用として使用されています。

みりんはもち米由来の糖度(アミロース)が高い為、そして、アルコール添加をするため、そのまま飲用するには香味のバランスが悪く、基本的に現代では飲用しません。
※江戸時代にはみりんに焼酎を足しアルコール添加した酒を「柳影」といい、高級な食中酒として食通の間で重宝されていました

そこで、「みりん」のような役割を果たしながらも、醸造アルコールの添加がない純米酒のやわらかな飲み心地、そして酒としても楽しめる新しい可能性を見出したのがこちらの商品。特に旨みが強く、ワインとの相性が難しい「ウニ」や「牡蠣」などのクリーミーな旨味を引き上げる非常に素晴らしいフードフレンドリーなお酒。その他、和食以外でも旨みの強いチーズ、特に「ブルーチーズ」や脂質の多い中華、特に「豚の角煮」など、食事の旨みをとても引き立てる興味深いアイテムでもあります。日本酒界のソーテルヌやアモンティリャードのような立ち位置といえるでしょう。

カタルーニャの職人が造る自然派カバ

Orio Rosal

生産者:オリオ・ロサル
生産国・産地:スペインカタルーニャ地方

17世紀の瀟洒なエステイトをぐるりと囲むように広がる自社畑では、完全有機栽培が実践されていて周囲に農薬をまき散らす隣人もいない。朝日が昇る前の涼しい時間に収穫されたブドウは、そのまま目の前のセラーに持ち込まれてすぐに圧搾されてワインになり、ワインができたら瓶詰めして酵母とショ糖を添加したらあとは瓶内二次発酵できれいな泡ができるまで地下深くのセラーで時を過ごす。ワインにはモストフロール(モストの花)と呼ばれる第一搾汁だけを使い、ルミュアージュ(動瓶*)の工程は今でもすべて専門の職人により手作業で行われている。それなのに・・・安い。

ワイン名:ダミア カバ ブルット
味のタイプ:白・辛口
ブドウ品種:シャレロ、マカベオ、パレリャダ

ワイン名:ダミア カバ ブルット ロゼ
味のタイプ:ロゼ・辛口
ブドウ品種:ガルナッチャ、ピノ・ノワール

Damia Cava Brut
Damia Cava Brut Rose

★動画:ルミアージュ(動瓶)の様子

ピカピカ

写真はワイナリーでいただいたピカピカ。ちょっと小腹を満たすときの軽食をカタルーニャではこう呼びます。軽食とはいえ豪華ですね!カタルーニャの朝ごはんもほとんどこんな感じで週末のブランチにはカバも楽しみます。ダミアのカバは(特にロゼ)食後のデザートにもよく合いますよ。こちらでスイーツとの楽しみ方もご紹介しています。Check it out !ジプシーの腕はいろんな味

パスタのパエリア、フィデウア

フィデウア / Fideua

お料理上手なボデアガス・アスル・イ・ガランサの醸造家、ダニーさんのレシピです。パスタで作るパエリア、「フィデウア(Fideua)」は、カタルーニャ語でパスタ料理のこと。主にカタルーニャ地方の沿岸地域で人気の料理で、バーベキューのようにアウトドアで楽しまれることもよくあります。お米を忘れた漁師が船の上で作ったのがはじまりとか。スペインにはフィデウア専用のフィデオというパスタがありますが、日本では手に入り難いので、カッペリーニで代用しても大丈夫。炊き上がったらサルサ・アリオリをかけてお楽しみください!これがあるのと無いのとでは大違いです。

材料(10人分):
 魚介のアラ・・・2kg(頭、骨、カニなど出汁を取るため)
 人参・・・3個
 玉ねぎ・・・3個
 塩
 フィデオ・・・3kg
 イカ・・・2kg
 エビ・・・1kg
 アサリ・・・500g
 にんにく
 オリーヴオイル

1  材料を切り35分間茹でてスープストックを作る。
2  大きなフライパンにオリーヴイルを熱し、海老を焼いて取り出す。
3  次に同じフライパンで小口に切ったイカを炒め、にんにくのスライスを入れる。
4  フィデオを黄金色になるまで揚げ焼きにする。
5  スープストックを足して水分がほどよくなくなるまで煮る。
6  お皿に取り分け、アリオリ・ソースを乗せて出来上がり。

サルサ・アリオリ / Salsa Alioli

すべての材料をブレンダーで攪拌してマヨネーズのようになったら完成です。

卵・・・2個
ひまわり油・・・500ml
にんにく

地下12メートルで泡に専念しているならもう安心

La Maison Louis de Grenelle

生産者:ルイ・ド・グルネル
生産国・産地:フランス・ロワール地方ソミュール

スパークリングワイン造りは高度なテクニックが要求されるから、泡専門と聞けば最初のハードルはまずクリア。北フランス・ロワール地方ソミュールのルイ・ド・グルネルは、1859年に設立された今なお続く数少ない家族経営のワイナリーで、設立以来、ずっと真摯にクレマン(シャンパーニュと同じ伝統製法によるスパークリングワイン)に向き合っている。

圧巻は設立当時にトゥファ(石灰華)層を削り出して造られたクレマン専用のセラーと、15世紀の採石場跡を利用した地下12メートルにあるカーヴ。冷たい空気と静けさに満ちた空間で人の手により丁寧に育まれ、そして眠りについた極上の泡。そんなシーンを思い浮かべて飲むと美味しさもひとしお。

Louis de Grenelle Saumur Grande Cuvée Brut NV
祝祭の始まりを告げる美しいゴールドラベルのグラン・キュヴェは、5つあるクレマンコレクションのなかでも、「Collection Raffinement(洗練)」にカテゴライズされる上級品。24か月と規定より長い熟成を経てまとうカラメル漬けした桃やマルメロのような果実感や、ヘーゼルナッツやアーモンドの風味にアカシア蜂蜜のニュアンスにブリオッシュ香の漂う豊かな味わい。前菜だけでなく、フォアグラやバターを効かせた魚のグリルなどメインデッシュにも合わせて楽しみたい。シャンパーニュでは大げさで、でもクラス感のある泡が欲しいシーンに最適。

タラのサルサヴェルデ

白ワインに良く合うスペインでも人気のバスク料理。とっても簡単です!

タラのサルサベルデ/Bacalao en salsa verde con almejas

材料(2人分):

 タラの切り身:2枚(一切れ150g程度)
 アサリ:10個
 ニンニク:1片
 小麦粉:小さじ1
 白ワイン:小さめのグラス1/2杯
 水:グラス1杯
 オリーヴオイル
 塩、パセリ

作り方

1)刻んだニンニクをオリーブオイルで炒め、きつね色になったらアサリと小麦粉を入れる。

2)タラに塩を振り、別のフライパンで身から先に焼く。

3)白ワインを注ぎ、刻んだパセリと水を注ぎ約5分間煮る。最後にあさりのソースを合わせて、刻んだパセリを入れ勢いよくソースと絡ませる。

この爽やかさ、まるで大西洋の風!

グラスから溢れるハーブや柑橘の香り、カランカランとグラスに触れる涼やかな氷の音。今や世界的に人気が過熱するアルバリーニョだが、そのアルバリーニョ(それも極上の)をベースワインにしたベルムットが“食事に合うテロワール系ベルムット”、エントロイドだ。

「世の中に品質を追求したベルムットがほとんどない。それなら自分たちで作ってしまおう!」。ベルムットが大好きなアデガス・バルミニョールが、そう考えて4年の歳月をかけて地元ガリシア産のハーブを厳選し、ベースワインにこだわって本気も本気で取り組んだ。だから美味しい。週末にのんびりと一杯。ランチやディナーの前に仲間とわいわい話しながらまた一杯。リフレッシュのマストアイテムとして傍においてはどうだろう?

【ベルモット/ベルムット】白ワインに香草やスパイスを漬け込み酒精強化したフレーバードワイン、ベルモット。スペインではベルムットやベルムーという名前で親しまれてします。ニガヨモギを使うことが必須で、この名称はドイツ語のwermut(ニガヨモギ)に由来していると言われています。ハーブ系のお酒は食欲をたまらなく刺激する独特の心地よい苦みがあり、そのため本来は食前酒として楽しまれてきました。一時は下火になりましたが、スペインでは2015年頃から若者の間でベルムット人気が再燃しています。

エントロイド ブランコ/Entroido Blanco: Albarino 100% plus fresh herbs from Galicia

エントロイド ブランコ(白):厳選した22種類のハーブが漬け込まれたブランコには、アカキナなどガリシア地方に生育しないもの以外はすべて地元産を使用。意外に控えめなトップノーズにはシトラスやフェンネル、月桂樹の香りが隠れ、のど越しにぎゅっと凝縮した美味しさが流れ込む。これがベルムット?と思うだろう。そう、それが造り手のコンセプトだ。

★良く合う食材:ドライフルーツ、ムール貝、ツナ、サーモン、ナチュラルチーズなど。

凝縮感のあるブランコなら高品質の白ワインさながらに、前菜からメインディッシュまで食事を通して楽しめます。メインは魚、鶏など白身のお肉、またはお肉や野菜のパイなど。野菜の素揚げや天婦羅などもよく合います。

★22種類のハーブたち:赤キナ樹皮抽出物、ホップ、ローズマリー、ニガヨモギ、ジュニパー、ショウガ、ペパーミント、ノコギリソウ、セイヨウトウキの根、バニラ、カルダモン、レモン、フェンネル、月桂樹、バラ、シナモン、ユーカリ、ルバーブ、コリアンダー、オレンジ、カモミール

エントロイド ロホ/Entroido Rojo: Albarino 100% plus fresh herbs from Galicia

エントロイド ロホ(赤):ブランコと同じ製法で造られてるロホ。違いは色合いとハーブの種類。ベースの白ワイン(アルバリーニョ)に色素で着色しているのだが心配ご無用。すべて本物にこだわるから自社畑の黒ブドウの果皮から色素を抽出するという手間暇をかけている。ハーブは12種類*とブランコより少ないが、香りは圧倒的。トップノーズに開く柑橘系の香りは苦味を伴いまるでグレープフルーツのような爽やかさを感じながら、バニラを想わせるふくよかなニュアンスがじわじわと広がっていく。ああ、もう虜!

★良く合う食材:アンチョビ、イカの墨、タコ、甘いデザートなど。

ロホは少しカジュアルダウンして気さくなおつまみもお勧め。生ハム、チーズ、トルティージャ(卵とジャガイモのスペインのオムレツ)、コロッケ、ボケロネス(小魚の酢漬け)などのタパスや、日本の居酒屋メニューみたいなものが簡単でお勧め。焼き鳥とエントロイドなんて想像しただけで至福です。

12種類のハーブたち:赤キナ樹皮抽出物、ホップ、ローズマリー、ニガヨモギ、ジュニパー、ショウガ、ペパーミント、ノコギリソウ、セイヨウトウキの根、バニラ、カルダモン、レモン

★動画:生産者さんの解説が視聴できます→エントロイド ブランコエントロイド ロホ

美味しさの源は大西洋のはじける笑顔

Adegas Valmiñor

生産者:アデガス・バルミニョール
生産国・産地:スペイン、リアス・バイシャスD.O.

スペイン人は誠実でありガリシア人はそれ以上。D.O.リアス・バイシャスに今や数軒残るのみとなった生粋のガリシア人によるワイナリー、アデガス・バルミニョールは、1997年に創設者のカルロスが一代で築いたワイナリー。カルロスを中心にスタッフがまるで家族のように仲が良く、訪問者を友人のように迎えてくれる。

バルミニョールというワイナリー名は、カルロスが住む渓谷から取ったもの。実はこの渓谷、コロンブスがアメリカ大陸から帰国した際に3隻の船が着いたという歴史スポットでもある。産地の最南端(リアス・バイシャスに5つのサブゾーンがある)、ミーニョ―川を挟んでポルトガルと国境を接するオ・ロサルにあり、この辺りは河口から広がる大西洋とほとんど水平のようなスペインでは珍しい標高の低さが特徴だ(リアス・バイシャスという産地名は低いリアス式海岸という意味)。

大西洋の冷涼な風を受けて、4つの区画に分かれた34ヘクタールの畑からアルバリーニョ種を中心に国際的には幻のソウソン、ブランセリャオ、カイニョ・ティント、カスタニャルといった地元の“文化財”の栽培にも熱心なのだが、とにかくどれ飲んでも美味しい。それに樽発酵・樽熟成のアルバリーニョやベルムット(極上のアルバリーニョがベースワイン!)のような変わり種を造ったって、彼らが造るならちゃんと理由があり、それは絶対に美味しいということは飲む前から分かっている。知識、献身、情熱、そして愛情がワインを生み出す原動力となっていることは、ここで働く人々の笑顔にちゃんと書いてある。

Vineyard site: Catuxa
Vineyard site:  Figueiró 

★動画: Short Tour

★かもめの本棚『ワインと旅するスペイン』:連載第6回スペインの異世界ガリシア(下)