Rias Baixas D.O. リアス・バイシャス

世界的な知名度はガリシア地方で一番
原産地呼称制度の下で14品種の栽培が認められているものの、アルバリーニョ種が突出。1988 年に認定された比較的新しい産地で、北部カンバドスを中心にコンダト・ド・テア、オ・ロサルなど、5つのサブゾーンに分かれている。非常に高い品質のワインができる素晴らしい産地だが、品質向上に取組む造り手はまだ意外にも少数派。そこにはワインの消費量が多く、地元のワインを好むガリシア人の気質によって品質の向上をせずとも販売に困らないという背景がある。内陸部のワイン産地、リベイロに比べると樽はあまり使わないが、1000~2000㍑の大樽で醸造したものは、ときに特別なワインとなる。アルバリーニョは、ワインに慣れてなくても素直に美味しさを感じられる近づきやすさがある。

Albarino from Catuxa site -Adegas Valminor

地形がそのまま産地名に -低いリアス式海岸

ガリシア地方の沿岸部一帯はリアス式海岸になっている。この先はアメリカ。標高が低いため、大西洋の冷涼な風が遮られることなく畑を吹き抜ける。車窓から見える海岸線は、ゆるやかに内陸部へと続く。リアスはリアス式海岸、バイシャスは低いという意味。

Can you see the coastline?

地理・地質と気候

標高:平均 93 メートル。最高でも 160 メートルほどと全体的に標高が低い。
土壌:豊富なミネラル
浅くやや酸性の砂質土壌が、高い品質のワインを造る。岩のタイプは圧倒的に花崗岩。
気候:大西洋気候
冬は寒く夏は暑い大西洋気候であるが、海の影響で気温の変化はより穏やか。逆に湿度、降水量はより高い。ミーニョ川上流に近づくにつれ、つまり内陸に向かうと降水量が減り、ブドウはより早く成熟する。
降水量:年間 1600mm (東京- 約 1500mm)。ガリシア地方では内陸部より沿岸部の方が雨が多い。

Low altitude with Rias coast -Rias Baixas

リアス・バイシャスを大きく3つに分けると(正確には5つ)

  • 北部カンバドス:ほぼ 100%アルバリーニョ
  • 内陸部コンダド・ド・テア:リベイロに近くトレイシャドゥーラの栽培も多い(90%はアルバリーニョ)
  • 南部オ・ロサル:ロウレイラ、カイニョも

品種:90%以上がアルバリーニョ
リアス・バイシャスといえばアルバリーニョ。色は淡い黄金色から緑がかった黄金色、香りには素晴らしい凝縮感があり、フェンネルやミントなどのハーブや花、さらに熟したリンゴ、アプリコットを想わせる。口中ではオイリーで豊かな果実の甘みが際立つ(良いものは複雑味とエレガンスを兼ね備える)。
赤ワインの生産はわずか1%と極端に少ない。大西洋気候の特徴が良く出た、輝くような紫色をした赤果実やハーブの香りが豊かな酸の高いスタイルが多い。

Harvest from the Catuxa site, Adegas Valmiñor 


黒品種: カイニョ・ティント、エスパデイロ、ロウレイラ・ティント、ソウソン、メンシア、ブランセリャオ
白品種: アルバリーニョ、ロウレイラ・ブランカ、マルケス、トレイシャドゥーラ、カイニョ・ブランコ、トロンテス、ゴデージョ

Trellis system in the plains -Catuxa site of Adegas Valmiñor

ブドウ畑は主に棚仕立て。雨が多いので、こうすると畑に湿気がこもらずブドウが病気にならない。大人の背丈より高いので上を見上げながらの手入れはやっぱり大変で、良いワインを造るのに楽なことはなにもない。南部のオ・ロサルに行くにつれて標高が上がり、棚仕立ては姿を消す。リアス・バイシャスがすべて棚仕立てと思ったらそうではない。When you see Rias Baixas, just buy it!

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *