日本でも定着しつつあるアフタヌーンティー。ホテルのフェアでも取り上げられることが多くなり、桜やハロウィンなど季節感を取り入れたものや和風のアレンジが利いていて華やかですが、私が胸躍るのはスコーンと紅茶、シャンパーニュのシンプルなアフタヌーンティー。例えばイギリスの新進気鋭のワイナリー、ディグビー・ファイン・イングリッシュ(Digby Fine English)が素敵です。
さて、私がイギリスにいた1990年代は、人と会えば「Would you like a cup of tea?(お茶はいかが?)」と聞かれたものでした。日常生活ではマグカップにティーバックという飾らないスタイルがお決まりですが、今ではコーヒー党も増えたイギリスで、おもてなしはアフタヌーンティーという所に文化が表れていて素敵です。美しい公園があちこちにあるイギリスでは、ピクニックにアフタヌーンティーもいいですね。美味しいスコーンと紅茶とスパークリングワインがあれば、他に演出はいりません。
十代のピカソがこの建物に住み、近くの美術学校(La Llota de Mar-中世の貴族の館を改装したコンベンションホール)に通っていたミロも常連で、ダリやスペイン王室、チェ・ゲバラやゴルバチョフ元大統領、映画スターまで、多彩なセレブリティが愛した古き良きバルセロナを留めるセッテ・ポルテス。彼らはここで何を思い何を語り合ったのでしょうか。
このレシピが誕生したのは1940年代のこと。サン・セバスチャンに新しくバル(Bar Casa Vallés)をオープンしたヴァレス兄弟が、オリーブの実とギンディージャ(バスク地方の青唐辛子のピクルス)、アンチョビをワインに添えて提供していたところ、ある日常連客のホアキム・アランブルが3つまとめて串に刺して食べたのが始まりです。「あー、早く食べたい!」って感じだったんでしょうね。