「そこはピカソが座った席だよ」と言われてびっくり。背面の壁を見ると、確かに”Pablo Picasso”という金のプレートがはめ込まれていました。朝からワインの試飲し続けてもう午後3時。さあランチだと連れてきてもらったのが、バルセロナのバルセロネータ地区にある「7 Portes(セッテ・ポルテス)」です。
1836年創業の老舗、時代を動かした芸術家や大物政治家、映画俳優も訪れたという逸話と、魚介類やパエリアなど伝統的なカタルーニャ料理で観光客にも人気のレストランですが、建築探訪にもおすすめです。もともとは19世紀中頃に活躍した実業家ジョゼップ・シフレの大邸宅。「イザベル2世通りに美しい外回廊のあるパリのような建物を建てて住みたい」と憧れて建てたというだけあって、邸宅のほか、オフィスと豪華なカフェで構成され、そこに出入りするために7つの扉(7 Portes)がありました。
十代のピカソがこの建物に住み、近くの美術学校(La Llota de Mar-中世の貴族の館を改装したコンベンションホール)に通っていたミロも常連で、ダリやスペイン王室、チェ・ゲバラやゴルバチョフ元大統領、映画スターまで、多彩なセレブリティが愛した古き良きバルセロナを留めるセッテ・ポルテス。彼らはここで何を思い何を語り合ったのでしょうか。
外回廊のテラス席で寛ぐもよし、クラシックな設えの個室や半個室で落ち着いてフォーマルな食事をするのもよし。海に近いので、食後のそぞろ歩きもまた気持ちよいものです。
7 Portes
Tel. +34 93 319 30 33
Email:reserves@7portes.com
住所:Passeig Isabel II, 14. Barcelona 08003