Gazpacho ダニーのガスパチョ

お料理上手の醸造家、アスル・イ・ガランサのダニーのレシピ

ガスパチョは暑い夏を乗り越えるわたしのよき相棒!スペイン、アンダルシア地方発祥のスープです。食欲をそそるトマトの赤い色、身体を冷やしてくれる野菜たち。郷土料理は本当に上手くできていると思います。

日本でもいろんなレシピがありますが、やっぱり本場が一番。
お料理上手の醸造家、アスル・イ・ガランサのダニーのレシピをご紹介します。

Stock image

材料(4人分):
 熟したトマト ・・・・2個
 ピーマン(緑)・・・・1個
 パプリカ(赤)・・・・1個
 にんにく ・・・・・・1片
 きゅうり ・・・・・・1本
 玉ねぎ ・・・・・・・1/2個
 オリーブオイル ・・・300ml(スペイン産のエクストラ・バージン オリーブオイル)
 バゲット ・・・・・・スライス1枚
 お酢 ・・・・・・・・0.25L (できればシェリービネガー)
 水 ・・・・・・・・・100ml
 塩少々

作り方:
材料を適当な大きさに切り、ブレンダーかミキサーにかけます。裏ごしにかけるとさらに口当たりが洗練されます。ポイントはオイルやビネガー。良いものを選ぶと、より風味が増します。私の秘訣はトマトの芯をくり抜いて、あらかじめ冷凍しておくこと。そうすれば、飲みたいときにいつでも冷たいガスパチョに癒されます。

WINE

Vitis de Azul y Garanza, Garnacha Blanca 60%, Viura 40%

有機栽培で丁寧に育てた健康なブドウのミネラル感と果実味。少しボディがあるので冷やしてガスパチョと合わせると、最高のアペが始まります。Easy peazy!

ケルトの村の手作りの暮らし

La Setera Quseeria Artisanal y Bodega

Everything is artisan

生産者:ラ・セテラ
生産国・産地:スペイン、カスティーリャ・イ・レオンで アリベスD.O.

ラ・セタラにはもう憧れしかない。手づくりの暮らしが見えるのだ。カスティーリャ・イ・レオン州の西の端、フォルニージョス・デ・フェルモセリェ村に入ると、「Queso y Vino Artesano Degustacion y Venta -手づくりチーズとワイン 試食・試飲販売」と記された手書きの道案内のすぐ先に、機械化とは無縁のどこかくたびれた小さなボデガが家族の住まいと一体になっている。表の目立たない看板が唯一、ここがワイナリーであることを伝える目印だ。この村は独特のケルトの石積みでできていて、ボデガの外壁も石の壁が印象的。スペインというよりイギリスの田園風景を思い起こさせる。ここでは何もかもがひっそりと慎ましい。

Here we are! ーボデガに着いた

小さくても仕事は丁寧。ワイン造りやヤギのミルクを使ったチーズ作りの工程では、細部に目を配らせ、地域のビオダイバーシティを豊かに育みながら日々の暮らしを営んでいる。ラ・セテラという名前は、ワイナリーがある渓谷から頂いた。この小さな谷は、圧倒的な景観を織りなすあの全能なるドゥエロ川に続いている。ボデガのストーリーは1994年、サラとフランシスコの若いカップルがこの地に一目惚れしたことに始まる。生物学者だった二人は、いつか人生の早い段階でサステイナブルな生き方がしたいと思っていた。だからまず、セテラの谷でヤギのチーズを作り始め、2003年には自分たちでワインも造るようになった。二人がはじめたこの小さな活動によってコミュニティがうまれ、知らず知らずのうちに地域の自然文化遺産を守り、人口の流出を防ぐという重要な役割を担っていた。

Children must have grown up by now
Bodega and stonewall

ワイナリーはアリベス・デル・ドゥエロ自然公園のなかにあり、豊かな生態系の恵みを受けている。秘境ゆえに手つかずの土地は状態がよく、生産性を求める農業生産で土が疲弊しているということもない。サラとフランシスコは一方的に搾取するのが嫌いなので、ワインも無理のない範囲で造るから、どうがんばっても年産わずか一万本程度。その分クオリティが高く、もちろんワインに化学的な処置や人工的な対策を施すことは一切ない。畑の古木もみごとだ。

Beautiful old vines
Tasting, tasting and tasting to select the ones

WINE

La Setera Tinto Joven, Juan Garcia 100%
La Setera Tinto Roble Seleccion Especial, Turiga National 100%

La Setera Tinto Crianza, 100% Juan Garcia
La Setera Tinto Crianza Seleccion Especial, 100% Touriga Nacional

パワーのなかにフィネスを感じる赤ワインは、良い意味で野趣溢れ濃厚でいて、きめが細かい。
どちらも忘れられないハイクオリティ。ラベルの図柄にお気づきたろうか?そう、石積みがモチーフになっている。

CHEESE

ラ・セテラのチーズも、ワインと同じように製造工程はいたってナチュラルだ。ヤギのミルクは近隣の農家から毎日新鮮なものを調達している。つまりヤギたちは100%アリベスの土地のなかで草を食んでいて、こんな環境で育ったヤギだから、チーズが美味しくないわけがない。

Cualquier alimento es más sano, cuanto menos procesos haya tenido para su obtención. Sara y Francisco ー食べものは加工しないほどより健康的。

Cheese shop
Sara’s queseria

<行き方>
フォルニージョス・デ・フェルモセリェ村へはフェルモセリェから車で20分。

<アリベスに泊まる>
La Casa de los Arribes lascasadelosarribes@hotmail.com (Tel. 34 629 74 95 52)
アリベス・デル・ドゥエロ自然公園の案内も充実しているし、アニマルセラピーなども体験できる。

神々の遊び「秋田の熟成日本酒と京料理」-2021 Nov.

米の旨みにかける金紋秋田酒造さんの熟成酒を、繊細な京料理とぴったり合わせる神々の遊び。ワイングラスはオーストリアの名品ZALTOのユニバーサルを使用しました。記憶に残る憧れのペアリング。次回はいつになることか。いまから楽しみです。

令和二年十月八日(金)御献立


先付一 汲み上げ湯葉とローストした松の実の組合せ 
椎茸の香り付けをした出汁のジュレ、椎茸ソテー、松の実、キャビア
先付二 煮鰻と揚げ蓮餅(岩手県産松茸鋳込み)、煮詰め、粉山椒

八寸 魳の炙り寿司(干し菊、切り胡麻)、牛たんの煮込み辛子添え、紫ずきん、
衣被、カボス釜(マスカット、柿、林檎の白和え落花生の香りを添えて)

御椀 渡り蟹の真蒸、岩手県産松茸、松葉柚子 清汁仕立て

造り ① 北海道産本まぐろの炙り 辛子醤油
   ② 徳島県産のどぐろの炙り 山葵醤油
   ③ 淡路島産鱧の焼き霜 玉葱ポン酢

焼物 子持ち鮎塩焼き頭と背骨の粉添え、渋皮栗、塩煎り銀杏
   焼いた檜葉の香りと共に
炊合 キンキと小蕪 針葱、粉山椒
御飯 白甘鯛、原木舞茸、油揚げの炊き込みご飯 
漬物 椎茸昆布、糠漬け胡瓜 
後汁 田舎味噌仕立て なめこ茸
デザート 無花果のアイスクリーム、バルサミコ酢ゼリー掛け
     京丹後梨、無花果、クイーンニーナ、ミント
菓子 安納芋の羊羹 水出し茎玉露

先付一 椎茸や松の実、キャビアなど個性的な食材が繊細に調和する先付:ブランと亜麻色。

先付二 一本残らず骨を抜いたウナギ、加賀蓮根、なかには松茸(写真中央):ブランと山吹。松茸、椎茸、鰻、蓮根といった素材は特に山吹にバッチリ合う。ブランも良い。

八寸 マスカットや柿、林檎などのフルーツは亜麻色、里芋はブラン、牛タンはゴールド、カマスのお鮨は山吹2004。X3ブランも悪くないが、山吹2004がベター。亜麻色に果物が合うのが驚き。

渡り蟹の真蒸には亜麻色。ブランだと少し重く感じる。優しいお料理は亜麻色が寄り添ってくれる。松茸の力強さは山吹ゴールド。松茸がこれほどまでに力強いことに改めて驚く。

お造り①(左)
北海道のマグロを炭で極軽く炙ったお刺身は辛子醤油にて。
ブランと山吹2004が柔らかい肉質と調和し旨味を引き立てている。亜麻色だと生臭さが、ゴールドだと酒が主張してしまう。

お造り②(中央)
ノドグロの皮の脂を炭で炙った逸品。ゴールドが正解。ブランでも良いけど肉厚の魚にはやや酒質が弱い。亜麻色と山吹2004では弱すぎる。

お造り③(右)
皮に直接炭を当てた鱧に玉ねぎのソース(玉ねぎと柚子、カボス、酢橘など柑橘が効いたポン酢)。フィノのようなタッチの亜麻色が最高で、酵母感の効いたブランは更に合う。いや、この鱧は全ての金紋秋田とよく合う。

焼物 栗、銀杏、鮎、ヒバを炙って香りづけ。予想通り亜麻色とブランが合っているが、細かく見ると鮎はゴールド、ブラン。亜麻色だと少し甘みが出てくるので好みが分かれる。山吹2004はオールマイティにいけている。鮎の苦味と塩味、香ばしさが鍵。栗の甘みにはブランがベストマッチング。

炊合 敢えて伝統的なレシピを残して再現した懐かしさが染みるキンキの煮つけに黒七味が洗練を与えている。これはブラン。煮つけの円やかさが亜麻色、山吹2004とも良く合う。

京料理 杢兵衛
京都祇園花見小路 Tel. 075-525-0115

Azabache 災いから身を守るスペインのパワーストーン

黒光りする美しい黒玉(こくぎょく)、アサバチェは災いから身を守ると信じられてきたパワーストーン。サンティアゴ・デ・コンポステーラ旧市街を、大聖堂のあるオブラドイロ広場に向かって歩いていくと、おおくの宝飾店が軒を連ねていることに気がつきます。通りの名はルア・デ・アシベチェリア/Rua de Acibecheria、アサバチェ職人通りです。かつてここは、アサバチェを扱う店だけを集めた専門通りでした。

Medallón de Azabache de Oles, Asturias, motivos celtas, Azabache y plata -wikipedia

この石は、ジュラシックツリー(2億年 – 1億5千万年前から現存する世界最古といわれる種子植物)が長い年月を経て化石化したもので、英語では黒琥珀(black amber)ともいわれますが、琥珀のように樹脂ではなく樹木そのものの化石です。主な産地はスペイン北部、アストゥリアス地方。海岸沿い一帯に分布し、独特のやわらかい光沢でジュエリーとして愛され、その人気は16世紀ころに頂点に達しました。

巡礼にちなんでホタテ貝や十字架をモチーフにしたものもありますが、ガリシアの魔除けアイテム、フィーガを型どったものや、デニムなど現代の装いにも身につけやすいブレスレットやネックレスなどもあって、ちょっとしたおみやげにぴったりです。地元では今でも子どもが生まれたときに、健やかなる成長と厄除けを願って贈られるパワーストーン。昨今では、アサバチェ職人通りでなくても売られていますが、せっかくなら通りの古いお店で買い求めるのも、また思い出になるでしょう。もしかしたら偶然入ったお店が、通りで最も古いお店かも知れません。Good luck!

『フランスの装飾と文様』

L’histoire d’ornements et de motifs de France

『フランスの装飾と文様』城一夫(著)パイ・インターナショナル

中世の縞や紋章、アントワネットに愛されたロココの花模様、アール・デコのモダンなモードデザインから民芸の世界まで。華麗なフランス装飾史をくわしく解説。

Level:美を愛でるすべての人

『イギリス王立化学会の化学者が教えるワイン学入門』

Understanding Wine Technology

『イギリス王立化学会の化学者が教えるワイン学入門』ディヴィッド・バード(著)佐藤圭史、村松静枝、伊藤信子(訳)エクスナレッジ

アカデミックな素晴らしい本。ワインに化学が登場した19世紀以降のプロなら、誰もが抑えておきたいポイントを隈なく解説しています。

Level : どう考えてもプロ向き

『うなぎでワインが飲めますか?』

田崎真也(著)角川書店

世界最優秀ソムリエの田崎真也さんが、「もっと自由にいろいろな方法でワインを楽しむには?」をテーマに、まずは自己流の楽しみ方をみつけようと提案する、飲み手に寄り添った良書です。レストランでソムリエに接する心持ちについても、私たちの立場に立って解説されています。いつ読んでも素敵。

Level:中級。真剣にワインをもっと知りたいと思い始めたくらい。

Arribes DO アリベス、大自然に抱かれる小さな産地

アリベス。なんてクールな名前。イベリア半島北部を流れる重要な川、ドゥエロ川をはさんだ先にみえるのはポルトガル。カスティーリャ・イ・レオン州最西端にあるこの小さなワイン産地には、およそ150kmに渡ってドゥエロの大河が流れ、花崗岩の土壌が削られてできた渓谷や峠道など独特の景色を描いています。おなじ渓谷地帯でも、ガリシア州のリベイラ・サクラが女性的なら、こちらは男性的なニュアンスがあり、大地のエネルギーが下から突き上げてくるような迫力です。

from Mirador looking down the river Duero

<気象データ>
夏の最高気温:40度
冬の最低気温:-9.5度
平均年間降雨量:561.41mm
平均年間日照時間:2,899時間

<ブドウ畑>
総面積:337ha
標高:700m.
土壌:花崗岩、スレート
白品種:マルバシア・カステリャナ、ベルデホ、アルビーリョ
黒品種:フアン・ガルシア、ブルニャル、フフェテ、メンシア、テンプラニーリョ、ガルナッチャ

アリベスワインの歴史は長く、ローマ人か、恐らくそれ以前にフェニキア人がドゥエロ川をポルトガルのオポルト港からさかのぼっていったと考えられています。ブトウ畑は切り立った渓谷とそのなかにわずかに広がる平原にあり、原産地呼称員会に登録されている17軒のワイナリーが固有品種でワインを造っています。アリベスのワインは、ポルトガルのミーニョ地方とスペインのガリシア地方、両方のキャラクターを持ち合わせた印象があって、とてもエキゾチック。ポルトガルとスペインの国境にあることから二つの国の歴史が融合し、また同時に外部から隔離された環境であるがゆえに、多様なブドウ品種の宝庫になっています。

生産の90%が赤ワインという赤の産地。かつては単一品種、フアン・ガルシアのワインが主流だったのですが、今ではブレンドもされるようになり、その際、地元品種を60%以上使うことが義務づけられています。フアン・ガルシアのワインはプラムやカシスなど黒果実のニュアンスがあり、樽熟成によってバニラ、ユーカリ、リコリス、ミネラルやナッツなどをともなって、滑らかさのなかに力強さが備わります。

Vineyards over there

アリベス・デル・ドゥエロ自然公園/Parque Arribes del Duero

アリベス・デル・ドゥエロ自然公園はスペインのサラマンカ県とサモラ県の間、ポルトガルとの国境に位置し、ポルトガル側ではドウロ自然公園として保護地区に指定されています。ユネスコ・メセタ・イベリア保護区にも指定される、イベリア半島最大の自然保護地区(1,132,607haだから長野県くらい)の主役は、川と渓谷。最大500メートルの高低差のなかにスペインで最も多くの渓谷群がみられ、トルメス川とドゥエロ川が出合うアンバサグアス渓谷、閃長岩の巨大岩、ペーニャ・ゴルダス、高低差200メートルの大滝、ポゾ・デ・ウモスといった壮大な景色がつぎからつぎへと現れます。

アリベス(Arribes)という地名は、もともと海岸を意味するラテン語のadripa-aeに由来しているらしい。確かに前述のドゥエロ川やトルメス川のほかにも、アゲダ川、フエブラ川、ウセス川、エスラ川など、いくつもの川のコースがあって、文字通り「ドゥエロの川岸」たる堂々とした地形を形成しています。

植生も豊か。ジュニパー、虫こぶのオークの木、セイヨウヒイラギガシ、コルクの森が広がっています。また、この高地にはめずらしい地中海性気候の植生もみられ、ブドウ、オリーブ、アーモンドの木々、動物群ではボネリークマタカ、イヌワシ、コンドル、エジプトハゲワシ、ハヤブサ、ワシミミズクなどの猛禽類が大空をゆったりと旋回している姿がのびやか。哺乳類ではカワウソ、テン、キツネやイノシシなども生息しています。

Stock image By Sam Bark

自然公園についたら徒歩や自転車で辿れるたくさんのルートが整備されているし、ミラドール(展望台)も要所要所にあるからどこからでも絶景が楽しめる。アリベス・デル・ドゥエロの川下りクルーズも最高。

Stock image By Daniel Llorente
Stock image By Raimond Klavins
An English countryside like cozy little village

自然保護地区には、ローマ時代にさかのぼる中世の村、フェルモセリェがある。周辺の小さな村々にはケルト文化の痕跡がいたるところにあり、緑豊かで穏やかな風景はスペインというよりイギリスの田園と見まがう風景。

羊のチーズ(もちろん手づくり)やサラマンカの希少種サヤゲサ牛の子牛肉、ラム、イベリコ豚が名産品。オルナソ/Hornazoというミートパイのような伝統的なパンや、ガリシアでお馴染みのタコとじゃがいも、ハム類も見逃せません。アリベスのワインで乾杯!

Soup of “Bacalao” -バカラオとひよこ豆のスープ
Sayaguesa Veal -サヤゲサ牛。味付けは塩だけ

<行き方・楽しみ方>
おすすめはフェルモセリェに宿泊してアリベス自然公園を楽しみ、ワイナリー見学をするコース。軒先で小さなお店を開いているワイナリーもあり、手づくりのチーズやはちみつ、パンなどを売っていてそのどれもが絶品。

RUTA del Vino 現在の登録ワイナリーはこちら:
 Arribes del Duero Sociedad Cooperativa
 Bodega Frontio
 Bodega el Hato y el Garabato
 Bodegas Pastrana
 Bodega Ribera de Pelazas
 Bodega Romanorum
 Bodega Viña Romana
 Hacienda Zorita Natural Reserve

<フェルモセリェ/Fermoselleに泊まる>
5つ星ホテルから、長期滞在に向いたアパートメントまで、スタイルに合わせた宿が充実しています。

Hacienda Zorita Wine Hotel & Organic Farming
14世紀の修道院をリノベーションしたリゾートスパホテル。トルメス川を見下ろす絶景ポイントにあり、グルメのレストラン、ワインスパ、セラーでのワインテイスティングが楽しめます。ウェブサイトで紹介されているツアープランも最高。ウェブサイトには見たら絶対に行きたくなってしまう動画があるので必見。

“1366樽のワインが眠るマルケス・デ・ラ・コンコルディアでのワインテイスティングをして、
ユネスコ世界遺産にも登録されているサラマンカの歴史地区へショートトリップ。
ファミリー向けには徒歩10分にあるホテルの農場ツアーをして、チーズの試食や田舎料理を楽しむのもおすすめ。夕食はホテルのレストラン、ソリタズキッチンで最高の料理と地元産の最高のワインを堪能したら、のワインバーで食後の寛ぎのひとときを”(筆者訳) 出展:SLHウェブサイトより引用

La Casa del Regidor
分厚い花崗岩の壁と太い木の梁のある18世紀の住宅、ラ・カサ・デル・レヒドールは、大人2名で7000円弱とリーズナブル。国立公園のなかにあり、美しい渓谷を眺めながらテラスで朝食がいただける。隣は12世紀に建てられたヌエストラ・セニョーラ・アスンシオン教会。近くのプラサ・マヨールには、季節の良い時期なら外で寛げる心地の良いバルもある。

Pallozas in Cebreiro セブレイロのかわいいおうち

温かみのある自然素材の家

オ・セブレイロ村で巡礼路より気になるのが、パロザスと呼ばれる茅葺屋根のおうちです。温かみのあるかわいいフォルム。これが古代ケルト人のおうちで、ほんのつい最近、20世紀の終わりまで実際にひとが住んでいたと聞くと、ますます興味がわいてきます。

紀元前3世紀に古代ローマ帝国がイベリア半島にやってくるまでは、現在のスペインの大部分にケルト人が暮らしていました。鉄器時代のイギリスの円形集落や、ケルト人が築いたカストロ文化(青銅器時代からローマ文化に取り入れられるまでのイベリア半島北部の文化)そのままに、円形の石の土台を、ガリシア語でパラザ/pallazaという茅葺の屋根でおおって家畜とともに暮らしていたそうです。

Castro in A Guarda By Henrique Pereira

20世紀も後半になってようやくこの地方にも新しい建築資材を運び込むことができるようになり、使われなくなったパロザスのいくつかはガリシアの村や、レオンのアンカレスの谷、アストゥリアス西部に移築保存されているそうです。

オ・セブレイロ村のパロザスはというと、博物館になっているものがあります。低い壁と茅葺屋根は過酷な山暮らしに合わせて工夫されています。重たい雪と風雨に耐えるための高く厚みのある屋根、凍えるような寒さをしのぐために窓はほとんどなく、熱を逃がさないようにしています。山の傾斜や土地のくぼみを利用して排水も考えられています。花崗岩やスレート、オーク材、藁など土地の材料を使ったかわいいおうちは、標高1300メートルの自然のなかにやさしく溶け込んでいます。

Palloza, Pedrafita do Cebreiro By amaianos
Pedrafita do Cebreiro By Bjørn Christian Tørrissen

キリスト教の時代になり、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼の要所となっても、ケルトのパロザスが取り壊されずにずっと共存していた奇跡に、村人の愛を感じます。Me gusta!

<STAY -セブレイロに泊まる>

Hotel O Cebreiro (informacion@hotelcebreiro.com, Tel 34 982367125)

もと町役場兼刑務所!らしいです。

Hostal Meson Anton (Tel 34 638 35 07 53)