La Setera Quseeria Artisanal y Bodega
生産者:ラ・セテラ
生産国・産地:スペイン、カスティーリャ・イ・レオンで アリベスD.O.
ラ・セタラにはもう憧れしかない。手づくりの暮らしが見えるのだ。カスティーリャ・イ・レオン州の西の端、フォルニージョス・デ・フェルモセリェ村に入ると、「Queso y Vino Artesano Degustacion y Venta -手づくりチーズとワイン 試食・試飲販売」と記された手書きの道案内のすぐ先に、機械化とは無縁のどこかくたびれた小さなボデガが家族の住まいと一体になっている。表の目立たない看板が唯一、ここがワイナリーであることを伝える目印だ。この村は独特のケルトの石積みでできていて、ボデガの外壁も石の壁が印象的。スペインというよりイギリスの田園風景を思い起こさせる。ここでは何もかもがひっそりと慎ましい。
小さくても仕事は丁寧。ワイン造りやヤギのミルクを使ったチーズ作りの工程では、細部に目を配らせ、地域のビオダイバーシティを豊かに育みながら日々の暮らしを営んでいる。ラ・セテラという名前は、ワイナリーがある渓谷から頂いた。この小さな谷は、圧倒的な景観を織りなすあの全能なるドゥエロ川に続いている。ボデガのストーリーは1994年、サラとフランシスコの若いカップルがこの地に一目惚れしたことに始まる。生物学者だった二人は、いつか人生の早い段階でサステイナブルな生き方がしたいと思っていた。だからまず、セテラの谷でヤギのチーズを作り始め、2003年には自分たちでワインも造るようになった。二人がはじめたこの小さな活動によってコミュニティがうまれ、知らず知らずのうちに地域の自然文化遺産を守り、人口の流出を防ぐという重要な役割を担っていた。
ワイナリーはアリベス・デル・ドゥエロ自然公園のなかにあり、豊かな生態系の恵みを受けている。秘境ゆえに手つかずの土地は状態がよく、生産性を求める農業生産で土が疲弊しているということもない。サラとフランシスコは一方的に搾取するのが嫌いなので、ワインも無理のない範囲で造るから、どうがんばっても年産わずか一万本程度。その分クオリティが高く、もちろんワインに化学的な処置や人工的な対策を施すことは一切ない。畑の古木もみごとだ。
WINE
La Setera Tinto Crianza, 100% Juan Garcia
La Setera Tinto Crianza Seleccion Especial, 100% Touriga Nacional
パワーのなかにフィネスを感じる赤ワインは、良い意味で野趣溢れ濃厚でいて、きめが細かい。
どちらも忘れられないハイクオリティ。ラベルの図柄にお気づきたろうか?そう、石積みがモチーフになっている。
CHEESE
ラ・セテラのチーズも、ワインと同じように製造工程はいたってナチュラルだ。ヤギのミルクは近隣の農家から毎日新鮮なものを調達している。つまりヤギたちは100%アリベスの土地のなかで草を食んでいて、こんな環境で育ったヤギだから、チーズが美味しくないわけがない。
Cualquier alimento es más sano, cuanto menos procesos haya tenido para su obtención. Sara y Francisco ー食べものは加工しないほどより健康的。
<行き方>
フォルニージョス・デ・フェルモセリェ村へはフェルモセリェから車で20分。
<アリベスに泊まる>
La Casa de los Arribes lascasadelosarribes@hotmail.com (Tel. 34 629 74 95 52)
アリベス・デル・ドゥエロ自然公園の案内も充実しているし、アニマルセラピーなども体験できる。