ほっこり優しい白いんげん豆とあさりの煮込み

アストゥリアス風白いんげん豆とあさりの煮込み/Alubias con almejas

あさりの出汁がたっぷり染みた白いんげん豆の優しさに、もう食べる手が止まりません。シンプルでお腹に優しいうえにワインにも合う優等生。カロリー控えめな罪悪感とは無縁のレシピですが、お豆の満腹感もあるからメインディッシュにもなります。気の置けない仲間が訪ねてきたら、例えば、「1皿目:サラダ、2皿目:白いんげん豆とあさりの煮込み、デザート:ヨーグルトとフルーツのコンフィチュール」の順番でライトなコース料理のできあがり。そこに良いワインがあれば魔法のような時間が待っています。

合わせるワインは、カジュアルでもちゃんとした造り手の白ワイン。アストゥリアスのシードラ(リンゴのお酒=シードル)やお隣バスク地方のチャコリ(特に海側のゲタリアコ・チャコリナ)、ビエルソのゴデージョなど、王道はスペイン北部の白ワインですが、心意気のある造り手さんのワインを産地にこだわらず自由に選ぶのも楽しいです。赤ワインならモンテレイやリベイロのものもよく合いますし、カバもいいですね。

本来は寒さ厳しい冬のアストゥリアスで身体を温めるプラト・デ・クチャラ(Plato de cuchara-スプーンだけで食べられる料理)なのですが、私はあさりの季節に色んな産地のワインと合わせて楽しんでいます。だって本当に簡単で美味しくてワインによく合うから!

材料(4人分):
 あさり・・・200g
 白いんげん豆(水煮)・・・1缶
 玉ねぎ・・・1個
 にんにく・・・1片
 赤唐辛子・・・1本
 薄力粉・・・大さじ2
 白ワイン・・・大さじ3
 エキストラバージンオリーブオイル・・・大さじ1
 イタリアンパセリ(みじん切り)

1 あさりは塩水で砂抜きをしてきれいに洗う。
2 玉ねぎとにんにくはみじん切り。赤唐辛子は種を取り輪切りにする。
3 鍋にオリーブオイルを温めて2をしんなりとするまで弱火でじっくりと炒める。
4 薄力粉を加え、粉臭さがなくなるまで炒める。あれば豆の煮汁、または水1カップを少しづつ加える。5 あさりと白ワインを加え、あさりの口が開いたら白いんげん豆を加えてひと煮たちさせる。
6 最後にイタリアンパセリのみじん切りを加えて混ぜたら完成。

* * *

【Tips】このレシピはスペイン北部アストゥリアスの郷土料理「ファベス・コン・アルメハス(Fabes con almejas)」がベースになっています。詳しくはアストゥリアスでもカンタブリア海側の名物で、本来は特産品のファベス(大粒の白いんげん豆。高級品)と大粒のあさりを使います。地元の素材は手に入らないですが、「普通の白いんげん豆(Alubias blancas)とあさりで十分美味しいよ」と、お料理上手の醸造家さんに教えてもらいました。地元を知る人はファベスへのこだわりがあるかも知れませんが、手軽さが命なので白いんげん豆は水煮で十分です。

ワイン街道のレストラン「ピクニック」

スペイン、カタルーニャ州の州都バルセロナから南へ電車で1時間ほどの所にあるビーチリゾート、シッチェスには、観光客で賑わうバルセロナとは違うゆったりとした時間が流れています。高級住宅地、ゴルフ場、マリンレジャーとリゾート地ならではの顔が揃っていますが、映画ファンには世界的に有名な「シッチェス映画祭」の町として知られています。

ワインの買い付けには無縁のこの町の人気店で、水面にきらめく陽光に目を細めながらこのとき私がしていたのは商談。向かいに座る某ワイナリーの醸造家とはバルセロナで待ち合わせたのですが、「良い話をするにはもっと良い場所に行こう」と連れて来てもらったのです。

海を眺めながらカバのグラスを片手に美味しい料理と仲間がいれば幸せ。こんな時間が長いほど素晴らしい人生だね、と語していたあの時間を今でも心地よく思い出します。

高級店ではないのに味は一流。そんなさりげなさもリゾート地ならではのサービスなのかもしれません。朝食からバータイムまでずっと楽しめるのがいかにも地中海流です。


PIC NIC ー Cocina mediterranea al lado del mar
 Tel. +34 938 11 00 40
 Email: restauratpicnic@matasarnalot.com
 住所 : Passeig Marítim, s/n (davant Av. Sofia) 08870 Sitges (Barcelona) 

骨格美人な海のシェリー

Bodega Gutiérrez Colosía

生産者:ボデガス・グティエレス・コロシア
生産国・産地:スペイン・アンダルシア地方 ヘレスD.O.

ほんのり塩味を感じるのは海に面しているから、というのはあながち嘘ではない。グティエレス・コロシアのシェリーは、どっしりと重たいタイプのシェリーと違いエレガントとも表現したくなる。それでいてピカイチの骨格を誇るのだ。

設立は1838年。グアダレテ川河口に開けた住みやすさで人気の港町、エル・プエルト・デ・サンタ・マリアに、今や唯一残るボデガ(ワイナリー)となった。この辺りは海の影響を受けるから、「生物学的熟成」を必要とするフィノタイプのシェリーにとって必要な湿度が完璧に確保できる。その湿度を活かす「大聖堂様式」と呼ばれる独特のセラーも見どころの一つ。60cmにもなる分厚い壁と高いアーチ型の柱に支えられたエル・プエルトならではの構造が、シェリー造りに必要な湿度を調整し、庫内の温度を一定に保っている。夏は45度近くにもなるスペイン南部ならではの工夫が随所に見られてとても面白い。

ワイナリー訪問可能:月曜日~土曜日

Avenida Bajamar 40,
El Puerto de Santa María, 11500 Spain
Tel. 34 95 68 28 52

ワイナリー訪問の後は、コロシアのシェリーと美味しい料理を。ワイナリーの並びにある「BESPOKE」は、次女カルメンがDIYした文字通り「BESPOKE」なレストラン。前菜からメインまで豊富なメニューとシェリーカクテルも見逃せない。営業時間はランチ12:00~16:30、ディナー20:00~23:30。日本とはだいぶ時間の感覚が違うのでご注意を!

シェリーのいろは

最も古いもので1611年の文献に登場する、日本人が初めて出会ったであろう西洋のワイン。それが「スペイン南部アンダルシア地方ヘレス周辺」で造られる白ワイン、シェリーです。例えるなら紹興酒や日本酒の古酒のような趣のある、旨みたっぷりのお酒です。ちょっと特殊なのでワイン通の間でもマニアックと思われがちなシェリーですが、一たび分かってしまえばこれほど簡単なものはなく、何より病みつきになる美味しさです。

そんなシェリーのいろはを、できるだけ簡単に説明してみましょう。ただし、初めての方は読んだだけではまず分からないので、やっぱりイベント&セミナーにお越しくださるのが一番です。ごめんなさい。

アルコール添加とソレラシステム

シェリーは白ワインと言いましたが、作り方が一風変わっています。昔々、今のような設備や技術がない時代、ワイン醸造に腐敗はつきものでした。それを解決したのが「アルコール添加(酒精強化)」という手法の発見。蒸留酒を白ワインに足すことで腐敗を回避したシェリーは、やがて大航海時代を迎えると水代わりに大量に船に積み込まれ、世界へと船出していきました。アルコール添加には、ブドウが原料のブランデーを用います。8世紀頃にアラビアからヨーロッパに持ち込まれたという蒸留技術は、この時代に大いに発展したことがうかがえますね。

ソレラシステム(Solera y Criadera)

うなぎのタレのような動的熟成

次にもうひとつ、シェリーを特徴づけるのが「ソレラシステム」という熟成法です。正式には「クリアデラ・イ・ソレラ」と呼ばれ、クリアデラとソレラという2つの役割を担う樽で構成される一山の樽のなかで、一定の法則に従って樽から樽へと収穫年の違うワインを継ぎ足していく(コリダ・デ・エスカラ/追段)手のかかる製法です。クリアデラは若いワインを継ぎ足しながら“育てる”ための樽、ソレラは最も長く熟成されたワインが最後に入る樽で“床の上”に置かれています。平均熟成年数は法律で2年以上、長いものでは15年以上というものもあります。

樽でそのまま熟成される(静置熟成)普通のワインと違って、継ぎ足しながらブレンドを行うシェリーの「動的熟成」は、うなぎのタレに似ていませんか?長年の継ぎ足して旨みを増すうなぎのタレを知っている日本人にとっては、うなぎのタレと考えた方がわかりやすいかも知れません。

その目的は?

長い年月をかけて複数の収穫年のワインをブレンドすることで若いワインも古いワインの特徴を備え、微妙に酸化しながら全体の味わいを均一化することです。そのためシェリーには普通のワインで起こりえる瓶差がなく、いつも同じ、“あの銘柄のあの味”が楽しめます。

職人の技

シェリーの継ぎ足しが面白いのは、単純に上から下、右から左へと継ぎ足すのではないことです。樽ごとの味をテイスティングして、「この樽をこちらに、いついつにあちらに」と、職人が独特のサインを樽に記し緻密に行っていきます。シェリーというお酒には、大らかなスペイン人の中でも特に大らかなアンダルシアの人々の生真面目さと職人魂が輝いています。

ベネンシア

ところでこれだけたくさんの樽をブレンドしていくとなれば味見が必要ですね。そのためには90cmほどの長い柄のついたベネンシアという道具を使います。そして試飲のシェリーを樽から汲み出す職人のことをベネンシアドールと呼びましたが、現在ベネンシアドールはシェリーのプロモーションで鮮やかな技を披露して活躍しています。

※写真下はパフォーマンスをするベネンシアドールではなく、ワイナリーの人が日常的に行うベネンシアです。

Bodegas Gutierrez Colosia

シェリーのエンラマ ボトリング

2010年頃から『Decanter誌』などワイン専門誌でも取り上げられるようになり、シェリー愛好家の間では久しぶりの国際的ニュースとなったエンラマ(直訳すると「枝から(en rama)」という意味になる)。その意図するところはあたかも枝からもぎとった果物をそのまま味わうように、ソレラの樽から直接汲み出したシェリーに最も近い状態でシェリーを味わおうというもの。

実際には瓶詰めのするときにフィルタリングは必要なので、“粗い固形物や沈殿物がない最低限の濾過をしたもの”ということになり、文字通り樽生にはできませんが、ボデガ(ワイナリー)でベネンシアール(汲み出す)をしてもらうような追体験ができるので、マニアックな妄想を少し叶えてくれるのです。

グティエレス・コロシア

シェリーの造り手やスタイルにもよりますが、グラスに注ぐと色が濃く、特に飲む前にしっかりと冷やすと透明度の低さがわかるでしょう。

  • 生物学的熟成を経たシェリー:酵母による複雑味が増すので、普通のシェリーとの違いがより顕著。
  • 酸化熟成を経たシェリー:ソレラシステムのなかで長い時間をかけて酸素に触れている(デキャンタージュされている)状態になるので、違いはそこまで顕著ではない。
ベネンシアールをした時の樽の中の様子。上部にフロール(産膜酵母)
ベネンシアに付いたフロール

小腹を満たす夢のPica Pica

「ピカピカする?」。スペイン・カタルーニャ地方では、ちょっと小腹を満たすときの軽食やフィンガーフードをピカピカ(Pica Pica)と呼びます。かわいいですよね。この表現は文字通り「ちょっとつまむ」を意味するカタルーニャ語のピカール(picar)から来ています。

写真は自然派カバの造り手、オリオ・ロサルを訪問したときの様子。12時頃だったのでランチにはまだ早いからと(スペインのランチは14時~)、ピカピカタイムを設けてくれました。

それにしても、軽食とはいえ豪華ですね!カタルーニャ地方では朝ごはんもほとんどこんな感じで、週末ともなればブランチにカバも楽しみます。明るい太陽によく似合うスペインのカバで、ピカピカしてみませんか?

カンタブリア山脈に抱かれて

Eguren Ugarte

生産者:エグーレン・ウガルテ
生産国・産地:スペイン、リオハ・アラベサ

長期熟成型の伝統的なリオハの骨格に加えて、惚れ惚れするほどフレッシュな果実味をあわせ持つエグーレン・ウガルテの赤ワイン。ワイナリーの革新性を感じるこの意外なバランスが魅力だが、銘醸ひしめくリオハ・アラベサで2番目に古いワイナリーを読み解けば、「テロワール(ワインを育む気候風土)」の面白さが見えてくる。

まずは北に聳えるカンタブリア山脈とこの山脈を何キロにも渡って覆う分厚い雲の帯。この雲は山の向こうにあるカンタブリア海から吹く、湿気を含んだ冷風によるもの。湿気と冷気はブドウの大敵だが、山にぶつかって雨となり(だから大量の雲が発生)、山を越える頃には爽やかな風となってブドウ畑を吹き抜ける。このとき、畑のカビや病害虫が一掃されるのだ。

畑はすべて南向き。冷涼なリオハ・アラベサでも日照量が確保されてブドウはきちんと完熟し、近くを流れるエブロ川のおかげで乾燥地帯にも関わらず適度な湿度が保たれる、という感じ。何もかもが自然の摂理に沿っていて、人の知恵の偉大さに胸がジーンと熱くなる。

さて、この見事なワイナリーを築いたのは、2023年に御年89歳で惜しまれつつ亡くなった先代ビトリーノ・エグーレン(写真左)。ビトリーノは美味しいワインを飲んでもらうだけでなく、ブドウ畑や樽に囲まれて眠る素晴らしさを多くの人に味わってもらいと願った。だから30年以上を費やしてコツコツと洞窟探検さながらのセラーやレストランを作り、まだワイナリー訪問が一般的ではなかった時代に「エノツーリズム」として人々に開放した。

情熱と愛情に満ちた驚きのストーリーは、こちらで詳しくご紹介しています。

★東海教育研究所・かもめの本棚『ワインと旅するスペイン』:星の巡礼カミーノ・デ・サンティアゴをゆく前編
★動画:『ビトリーノ・エグーレンが語る』(人生に悩んだときにも見てみたい)

***

<エグーレン・ウガルテに泊まる
| Hotel | Enoturisumo y Eventos |
滞在し、ブドウ畑を歩き、ワインを試飲して、レストランで食事をし(何か所もある!)、一息つきたくなったらテラスでワイングラスを片手にのんびりと。最高の休暇が待っている。

ワイン街道のレストラン「ラ・フラウタ」

う~ん!これ!これ!
地元っ子が集う美味しいタパスが食べたくて、ワイン仲間に紹介してもらった「La Flauta Ⅱ Balmes」。営業時間はスペインらしくAM9:00~AM1:00まで。朝食、ランチ、ピカピカ、アペ、ディナー、バータイムまで対応してくれるから、食事を手軽に済ませたいときにも便利でわが家のような空間です。

時代を感じる木枠のガラス扉が大好きでしたが、現在は「La Flauta Rambla」として近くの通りにリニューアル移転して、ミニマル&スタイリッシュな空間に大変身。前のお店が懐かしくもあり、いや、新しい方にできたテラス席も見逃せない。どちらにしても手軽に美味しく食べられるから、バルセロナ観光のオアシスとして確保しておきたいお店です。

アジの干物のようで懐かしい魚のグリルに、カロリーが凄そうなスペインのフライドポテト、パタタス・ブラバス。ワインが進む料理ってこういうの。

La Flauta Rambla

Tel. +34 934 15 51 86
Email : comunicacion@globalrambla.es
住所:Rambla de Catalunya, 91, Barcelona

Rioja DOCa リオハ

The epitome of fine red Spanish wine for generations, Rioja can still be superb.
スペインの赤、また高級ワインの代名詞といえば何といってもリオハ。その特徴は、ふくよかなコクときめ細やかな口当たりと複雑なバニラ香を含んだ香り高さにある。特に古樽でじっくり時間をかけて熟成されるグラン・レセルバクラスの赤ワインは、他のどの産地のものとも違う奥行と風格があり、アタックの強い新興ワインには決して醸し出せない独得のスタイルだ。

エブロ川沿いの3つの地区
産地総面積66,000ha、幅東西100km、最も高い標高で900mに至るスペイン屈指の銘醸地。エブロ川沿いの3つの産地に分かれている。

北岸:リオハ・アラベサ(20%)

  • 面積:13,178 ha:山間の斜面に段々畑や小さな区画が点在
  • 標高:600~650m
  • 降水量:450~600mm
  • 平均気温:ー3~15℃
  • 土壌:95%が粘土石灰質土壌
  • 気候:大西洋気候、地中海性気候
  • 特徴:リオハ地域では最も北に位置。行政的にはアラバ県に属しながら、リオハワインの生産地に含まれる地域で、バスク人の土地でもある。畑は南向きの高い斜面上にあり、土壌は95%が粘土石灰質で、色濃く芳醇、果実味の素晴らしい、若飲みタイプから熟成向きタイプまでの赤ワインが造られる。
  • メモ:大西洋気候と北に聳えるカンタブリア海の影響を受け(カンタブリア山脈が不要な湿度と冷気を遮断するものの)、他の2つの地区に比べると湿度があり気温も低い。歴史的銘醸ワイナリーやウルトラモダンなワイナリー建築のある独特の風景も魅力で、ワインツーリズムにおいては国際的な基準ともなるエリア。

最上流:リオハ・アルタ(42%)

  • 面積:27,881 ha:平地で大きな区画が多い
  • 標高:450m
  • 降水量:450~600mm
  • 平均気温:ー4~22℃
  • 土壌:粘土石灰質、粘土鉄、沖積土
  • 気候:大西洋気候
  • 特徴:エブロ河の右岸と左岸の一角にあり、標高が高く起伏のある地形から高い酸、フレッシュさ、アルコールは控えめで熟成向きの赤ワインが造られる。モザイクのような土壌から、リオハのクラシックブレンドやテロワールワインも産出される。
  • メモ:世界的にも百年ワイナリーが最も密集している地域であり、スペイン語発祥の地として知られるユネスコ世界遺産サン・ミラン・デ・ラ・コゴリャのユソ修道院とスソ修道院がある(最も古いカスティリャーノ/スペイン語とバスク語の記録がある)。夏の平均気温は15~22℃!

下流:リオハ・オリエンタル(38%)

  • 面積:25,191:平地で大きな区画が多い
  • 標高:500m
  • 降水量:450~600mm
  • 平均気温:ー3~15℃
  • 土壌:粘土鉄、沖積土
  • 気候:地中海性気候
  • 特徴:リオハの中心部ログローニョの東側にある地区でかつてはリオハ・バハと呼ばれていた。エブロ川両岸にあり、ナバーラ県の町村も含まれる。山脈から遠ざかるためほとんどは平地、かつほかの2地区に比べてより地中海性気候の影響を受けるため気温も高め。こうした地理的特徴から、アルコール度数の高いロゼと赤ワインが造られるが、主にブレンド用または日常用。

みんな大好き、じゃがいもたっぷりスペインのオムレツ

トルティージャ・デ・パタタス/Tortilla de Patatas

お味噌汁のように作る人によってレシピも味もまったく違うスペイン料理の定番。それがトルティージャ・デ・パタタスです。冷めても美味しいので食べきれなくても安心。材料はたった4つとシンプルなので、ぜひ挑戦してみて下さい。オイルはエキストラバージンオリーブオイルを使うと、ワンランクもツーランクも上の味に仕上がりますよ。

材料(3~4人分):
 じゃがいも(あれば男爵)・・・3個
 たまねぎ・・・1/2個
 塩・・・少々
 エキストラバージンオリーブオイル

1 じゃがいもはスライス*に、玉ねぎは大きめのみじん切りにする。
2 フライパンに多めのオリーブオイル、塩、じゃがいもを入れて弱火にかける。
3 玉ねぎを加え、じゃがいもが柔らかくなったらザルに上げて油をきっておく。
4 ボウルに卵を割り入れ、塩を加えてて溶きほぐし、じゃがいもと玉ねぎを加える。
5 フライパンをよく熱し、じゃがいもを流しいれたらざっくりとかき混ぜる。
6 弱火~中火でふちが固まってきたら、フライパンにお皿をかぶせてひっくり返し反対側も焼く。
7 この作業を何度か繰り返したら完成。

【Tips】*私はガリシア地方のワイナリーで、「じゃがいもは単にスライスするんじゃなくて包丁の角でガリっ、ガリっとするのよ!」と教わりました。じゃがいもを炒めてから軽く潰すというレシピもあるので、じゃがいもの角を取るような何らかの下処理をすることが、ふんわり感としつつ弾力もあるトルティージャに焼き上げるコツなのかも知れません。