The epitome of fine red Spanish wine for generations, Rioja can still be superb.
スペインの赤、また高級ワインの代名詞といえば何といってもリオハ。その特徴は、ふくよかなコクときめ細やかな口当たりと複雑なバニラ香を含んだ香り高さにある。特に古樽でじっくり時間をかけて熟成されるグラン・レセルバクラスの赤ワインは、他のどの産地のものとも違う奥行と風格があり、アタックの強い新興ワインには決して醸し出せない独得のスタイルだ。
エブロ川沿いの3つの地区
産地総面積66,000ha、幅東西100km、最も高い標高で900mに至るスペイン屈指の銘醸地。エブロ川沿いの3つの産地に分かれている。
北岸:リオハ・アラベサ(20%)
- 面積:13,178 ha:山間の斜面に段々畑や小さな区画が点在
- 標高:600~650m
- 降水量:450~600mm
- 平均気温:ー3~15℃
- 土壌:95%が粘土石灰質土壌
- 気候:大西洋気候、地中海性気候
- 特徴:リオハ地域では最も北に位置。行政的にはアラバ県に属しながら、リオハワインの生産地に含まれる地域で、バスク人の土地でもある。畑は南向きの高い斜面上にあり、土壌は95%が粘土石灰質で、色濃く芳醇、果実味の素晴らしい、若飲みタイプから熟成向きタイプまでの赤ワインが造られる。
- メモ:大西洋気候と北に聳えるカンタブリア海の影響を受け(カンタブリア山脈が不要な湿度と冷気を遮断するものの)、他の2つの地区に比べると湿度があり気温も低い。歴史的銘醸ワイナリーやウルトラモダンなワイナリー建築のある独特の風景も魅力で、ワインツーリズムにおいては国際的な基準ともなるエリア。
最上流:リオハ・アルタ(42%)
- 面積:27,881 ha:平地で大きな区画が多い
- 標高:450m
- 降水量:450~600mm
- 平均気温:ー4~22℃
- 土壌:粘土石灰質、粘土鉄、沖積土
- 気候:大西洋気候
- 特徴:エブロ河の右岸と左岸の一角にあり、標高が高く起伏のある地形から高い酸、フレッシュさ、アルコールは控えめで熟成向きの赤ワインが造られる。モザイクのような土壌から、リオハのクラシックブレンドやテロワールワインも産出される。
- メモ:世界的にも百年ワイナリーが最も密集している地域であり、スペイン語発祥の地として知られるユネスコ世界遺産サン・ミラン・デ・ラ・コゴリャのユソ修道院とスソ修道院がある(最も古いカスティリャーノ/スペイン語とバスク語の記録がある)。夏の平均気温は15~22℃!
下流:リオハ・オリエンタル(38%)
- 面積:25,191:平地で大きな区画が多い
- 標高:500m
- 降水量:450~600mm
- 平均気温:ー3~15℃
- 土壌:粘土鉄、沖積土
- 気候:地中海性気候
- 特徴:リオハの中心部ログローニョの東側にある地区でかつてはリオハ・バハと呼ばれていた。エブロ川両岸にあり、ナバーラ県の町村も含まれる。山脈から遠ざかるためほとんどは平地、かつほかの2地区に比べてより地中海性気候の影響を受けるため気温も高め。こうした地理的特徴から、アルコール度数の高いロゼと赤ワインが造られるが、主にブレンド用または日常用。