2010年頃から『Decanter誌』などワイン専門誌でも取り上げられるようになり、シェリー愛好家の間では久しぶりの国際的ニュースとなったエンラマ(直訳すると「枝から(en rama)」という意味になる)。その意図するところはあたかも枝からもぎとった果物をそのまま味わうように、ソレラの樽から直接汲み出したシェリーに最も近い状態でシェリーを味わおうというもの。
実際には瓶詰めのするときにフィルタリングは必要なので、“粗い固形物や沈殿物がない最低限の濾過をしたもの”ということになり、文字通り樽生にはできませんが、ボデガ(ワイナリー)でベネンシアール(汲み出す)をしてもらうような追体験ができるので、マニアックな妄想を少し叶えてくれるのです。
シェリーの造り手やスタイルにもよりますが、グラスに注ぐと色が濃く、特に飲む前にしっかりと冷やすと透明度の低さがわかるでしょう。
- 生物学的熟成を経たシェリー:酵母による複雑味が増すので、普通のシェリーとの違いがより顕著。
- 酸化熟成を経たシェリー:ソレラシステムのなかで長い時間をかけて酸素に触れている(デキャンタージュされている)状態になるので、違いはそこまで顕著ではない。