地下12メートルで泡に専念しているならもう安心

La Maison Louis de Grenelle

生産者:ルイ・ド・グルネル
生産国・産地:フランス・ロワール地方ソミュール

スパークリングワイン造りは高度なテクニックが要求されるから、泡専門と聞けば最初のハードルはまずクリア。北フランス・ロワール地方ソミュールのルイ・ド・グルネルは、1859年に設立された今なお続く数少ない家族経営のワイナリーで、設立以来、ずっと真摯にクレマン(シャンパーニュと同じ伝統製法によるスパークリングワイン)に向き合っている。

圧巻は設立当時にトゥファ(石灰華)層を削り出して造られたクレマン専用のセラーと、15世紀の採石場跡を利用した地下12メートルにあるカーヴ。冷たい空気と静けさに満ちた空間で人の手により丁寧に育まれ、そして眠りについた極上の泡。そんなシーンを思い浮かべて飲むと美味しさもひとしお。

Louis de Grenelle Saumur Grande Cuvée Brut NV
祝祭の始まりを告げる美しいゴールドラベルのグラン・キュヴェは、5つあるクレマンコレクションのなかでも、「Collection Raffinement(洗練)」にカテゴライズされる上級品。24か月と規定より長い熟成を経てまとうカラメル漬けした桃やマルメロのような果実感や、ヘーゼルナッツやアーモンドの風味にアカシア蜂蜜のニュアンスにブリオッシュ香の漂う豊かな味わい。前菜だけでなく、フォアグラやバターを効かせた魚のグリルなどメインデッシュにも合わせて楽しみたい。シャンパーニュでは大げさで、でもクラス感のある泡が欲しいシーンに最適。

この爽やかさ、まるで大西洋の風!

グラスから溢れるハーブや柑橘の香り、カランカランとグラスに触れる涼やかな氷の音。今や世界的に人気が過熱するアルバリーニョだが、そのアルバリーニョ(それも極上の)をベースワインにしたベルムットが“食事に合うテロワール系ベルムット”、エントロイドだ。

「世の中に品質を追求したベルムットがほとんどない。それなら自分たちで作ってしまおう!」。ベルムットが大好きなアデガス・バルミニョールが、そう考えて4年の歳月をかけて地元ガリシア産のハーブを厳選し、ベースワインにこだわって本気も本気で取り組んだ。だから美味しい。週末にのんびりと一杯。ランチやディナーの前に仲間とわいわい話しながらまた一杯。リフレッシュのマストアイテムとして傍においてはどうだろう?

【ベルモット/ベルムット】白ワインに香草やスパイスを漬け込み酒精強化したフレーバードワイン、ベルモット。スペインではベルムットやベルムーという名前で親しまれてします。ニガヨモギを使うことが必須で、この名称はドイツ語のwermut(ニガヨモギ)に由来していると言われています。ハーブ系のお酒は食欲をたまらなく刺激する独特の心地よい苦みがあり、そのため本来は食前酒として楽しまれてきました。一時は下火になりましたが、スペインでは2015年頃から若者の間でベルムット人気が再燃しています。

エントロイド ブランコ/Entroido Blanco: Albarino 100% plus fresh herbs from Galicia

エントロイド ブランコ(白):厳選した22種類のハーブが漬け込まれたブランコには、アカキナなどガリシア地方に生育しないもの以外はすべて地元産を使用。意外に控えめなトップノーズにはシトラスやフェンネル、月桂樹の香りが隠れ、のど越しにぎゅっと凝縮した美味しさが流れ込む。これがベルムット?と思うだろう。そう、それが造り手のコンセプトだ。

★良く合う食材:ドライフルーツ、ムール貝、ツナ、サーモン、ナチュラルチーズなど。

凝縮感のあるブランコなら高品質の白ワインさながらに、前菜からメインディッシュまで食事を通して楽しめます。メインは魚、鶏など白身のお肉、またはお肉や野菜のパイなど。野菜の素揚げや天婦羅などもよく合います。

★22種類のハーブたち:赤キナ樹皮抽出物、ホップ、ローズマリー、ニガヨモギ、ジュニパー、ショウガ、ペパーミント、ノコギリソウ、セイヨウトウキの根、バニラ、カルダモン、レモン、フェンネル、月桂樹、バラ、シナモン、ユーカリ、ルバーブ、コリアンダー、オレンジ、カモミール

エントロイド ロホ/Entroido Rojo: Albarino 100% plus fresh herbs from Galicia

エントロイド ロホ(赤):ブランコと同じ製法で造られてるロホ。違いは色合いとハーブの種類。ベースの白ワイン(アルバリーニョ)に色素で着色しているのだが心配ご無用。すべて本物にこだわるから自社畑の黒ブドウの果皮から色素を抽出するという手間暇をかけている。ハーブは12種類*とブランコより少ないが、香りは圧倒的。トップノーズに開く柑橘系の香りは苦味を伴いまるでグレープフルーツのような爽やかさを感じながら、バニラを想わせるふくよかなニュアンスがじわじわと広がっていく。ああ、もう虜!

★良く合う食材:アンチョビ、イカの墨、タコ、甘いデザートなど。

ロホは少しカジュアルダウンして気さくなおつまみもお勧め。生ハム、チーズ、トルティージャ(卵とジャガイモのスペインのオムレツ)、コロッケ、ボケロネス(小魚の酢漬け)などのタパスや、日本の居酒屋メニューみたいなものが簡単でお勧め。焼き鳥とエントロイドなんて想像しただけで至福です。

12種類のハーブたち:赤キナ樹皮抽出物、ホップ、ローズマリー、ニガヨモギ、ジュニパー、ショウガ、ペパーミント、ノコギリソウ、セイヨウトウキの根、バニラ、カルダモン、レモン

★動画:生産者さんの解説が視聴できます→エントロイド ブランコエントロイド ロホ

龍伝説の村の至宝のリースリング

Forster Ungeheuer Riesling GG, Pfaltz, Grosses Gewachs, Germany

生産者:ヴァイングート・フォン・ウィンイング
ワイン名:フォルスター ウンゲホイヤー リースリング GG
味のタイプ:白・辛口
ブドウ品種:リースリング
生産国・産地:ドイツ・ファルツ

かくも美しいドイツの至宝リースリング。その極みの一端がフォルスト村にあるわずか3ヘクタールのグローセス・ゲヴェックス(グラン・クリュ)、ウンゲホイヤーだ。18世紀から20世紀初頭にかけて世界に君臨したこのワインも第二次世界大戦とその後の動乱を経て忘れ去られ、ドイツワインといえば安物という苦難の時代を迎える。しかし、ジャンシス・ロビンソンが著書『ジャンシス・ロビンソンの世界一ブリリアントなワイン講座』でそう述べるように、そこには品質を磨き続けた人々がいた。

“その間も高品質を志向する少数派の頑固なワイナリーは、ドイツの畑でなし得る偉業の証しともいうべきワインを造り続けた” -本文より抜粋-

フォルスター ウンゲホイヤー(フォルスト村のウンゲホイヤー)。ドイツの精神そのものである驚異のクオリティワインは、21世紀の今、再び表舞台に登場した。とてつもなく複雑、計り知れないほどの香り、常識を軽やかに超える長期熟成が約束されている。言うまでもないが、およそリースリングに用いられる月並みな表現はこのワインには当てはまらない。

Tremendously complex, immensely aromatic, enormously age-worthy. No words you would probably use to describe Riesling would not match this wine. That is… Von Winning Forster Ungeheuer Riesling GG!

柔らかくも濃厚。砂漠の花の超絶バランス

生産者:ボデガス・アスル・イ・ガランサ
ワイン名:デシエルト
味のタイプ:赤・フルボディ
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン
生産国・産地:スペイン・ナバーラD.O.

デシエルト/Desierto: Canernet Sauvignon 100%

普通、ワイナリーの最上級ワインといえば玄人受けはすれど、初心者を喜ばせることは滅多にない。味わうには飲み手にもそれなりのレベルが求められるからだ。ところがこの「デシエルト」という赤ワインは不思議とどんな人もギュっと包み込み、虜にしてしまう大らかさがある。その一端は、しっかりと完熟して円やかになったタンニンにあるだろう。赤ワインの渋味が苦手という難関は、すでに解決されているのだ。あとはこの類まれなる凝縮感を味わうのみ。

このワインの造り手「アスル・イ・ガランサ」は、自然への敬意で結ばれた3人の若者が20代の頃に理想のワイン造りを求めて立ち上げたワイナリーだ。そこは量産には向かない常識外れの不毛地帯、スペイン北東部ナバーラにあるヨーロッパ最大の砂漠、ラス・バルデナレス・レアレス近郊。

砂漠から1キロしか離れていないわずか2ヘクタールの単一畑「デシエルト(砂漠)」は、カベルネ・ソーヴィニョンが栽培されている。何を栽培しても凝縮感が圧倒的だったというこの区画に、最も適合したブドウがカベルネだったのだ。厳しい気候の下で、ブドウの房は指でつまむほど小くなり、年間生産量は3000本足らずととても限定的。

ガトーショコラとも至福のペアリング

イカ墨のリゾットやガトーショコラなど、ワインが難しい食べものにもマッチする。いや、ここはシンプルに、大ぶりのグラスに入れて1時間後、3時間後、5時間後と開いていく味わいの変化を楽しむのもよし。

★かもめの本棚『ワインと旅するスペイン』:連載第1回目ナバーラの砂漠がわたしにくれたもの

金紋秋田酒造、熟成酒の世界

京都・祇園「杢兵衛」様にて

生産者:金紋秋田酒造
生産国・産地:日本・秋田県大仙市

こんな残念なことがあるだろうか。香り高い酒が主流の日本ではあまり理解されないという、金紋秋田酒造の熟成酒。ところが日本酒に対する固定観念のない海外では、食中酒としてトップソムリエや美食家たちから高い支持を集めているという。

「米を主食にするアジア人が米を食べるとき、必ずおかずと一緒に食べるのはなぜか」。そんな素朴な問いからスタートした三代目当主、佐々木孝。大手を筆頭に37軒の酒蔵が割拠する秋田県という土地で、佐々木が蔵を継いだとき、そこに新参者が入り込む余地はほとんどなかった。秋田の酒蔵の中で下から数えた方が早かったという小さな蔵元は、結果として固定概念から自由になったのだ。
 
やっぱり米。熟成で得られる深い香りと凝縮した旨味漂う長い余韻は食事の楽しみを増幅し、ペアリングにおけるすべてのマイナスをカバーする。 熟成に対する感度はワインの文化がある欧米の方が高い。これが舌の肥えた欧米市場で認められたのが理由である。

日本酒の本質である旨味を鍛えあげながら、この土地にしかできない酒造りに精進してきた果実が彼らの熟成酒。その深い旨味は多彩な食材の味覚をいっそう豊かに広げ、これまでになかった食文化を見せてくれる。発酵文明のひとしずく。ワインラバーなら間違いなくこの魅力を味わい尽くすことができるはずだ。

★金紋秋田酒造 / Kinmon Akita Sake Brewery→ Short tour

熟成酒の世界

お酒の究極の楽しみ。それは熟成。
手間暇かけて丁寧に造られたお酒には人を感動させる力がある。そんなお酒が、さらに“時間”という得難い味方を得たとしたら?

ワイン、ウィスキー、ブランデー、熟成の魅力。
長い眠りから目を覚ました酒は、ある時ふいに私たちの前に現れる。

もしかしたら造り手本人ですら、
生きている間には味わうことができないかも知れないという浪漫を漂わせながら。

「こんな日本酒があっても良いじゃないか」
この蔵を想うとき、三代目当主、佐々木孝の声が聞こえてくるようだ。

舟(絞り前)

ビギナーも美味しいワイン

わたしたちが思う初心者のためのセレクト

何事も始めが肝心というのはお酒も例外ではありません。だからこそ初めに美味しいワインを飲んで欲しい。

ビギナーの方に大切にしたいこと。

★ちゃんとしたワインであること
★試しやすい価格であること
★ワインの味に舌が慣れていなくても素直に美味しさを感じられること
★色々と比較できること

“どんなワインが好きか分からない”
“そもそもワインの味が分からない”
“だから何を選べばよいか分からない”

私も初めはそうでした。それどころか通の方々を唸らせているワインの良さが分からず、「この世界でやっていけるんだろうか・・・」と不安になったものです。

ビギナーの方に、試しやすい価格で素直に美味しさが見つけられるワインをセットでご提案しています。美味しさは一つのワインだけでは分かりません。常に比較を通して発見されます。Bonne dégustation!

カジュアル

ときにシリアスに、ときにカジュアルに。ワインはシーンが選べるのがいいですね。カジュアルワインはわたしたちが大切にしているジャンルです。日々の食卓で楽しむワインは、気さくであって欲しいもの。ただし、ワインとしてちゃんとしていることは譲れません。

★ちゃんと個性を表現していること
★カジュアルさの中に造り手の本気を感じるもの
★驚きの破格プライスであること
★普段のお料理と気軽に楽しめるもの

あまり安いと不安になるものですが、優れたワインが破格プライスでリリースされることはよくあります。ただ残念ながら、これが店頭に並んでいるだけでは分からない。

お買い得でつい人に話したくなるワイン、シンプルで温かい家庭の味にも寄り添うワインが私たちのカジュアルワインです。ワインを飲むからといって料理で緊張して欲しくないので、幅広くするりと合うワインを選びました。

わくわくするようなストーリー

ただのアルコールといえばそれまでですが、良く造られたワインには人を感動させる力があります。

樹齢百年を超える貴重な古木、幻の品種、驚異の低収量、はたまたワイナリーの人々の素顔、ワインが生まれた土地や、そこから垣間見えるストーリー。そんなストーリーが、ワインを一層美味しく身近なものにしてくれます。

ワインを飲むのは仲間とコミュニケーションを楽しみたいから。そんなひと時の主役となる世界観のあるワインをセレクトしています。

– WINERY LIST –

唯一無二

そこにボトルがあるだけでオーラを放つ本物のお酒。時を超えて人々に愛され続けたものが芸術作品になるように、時間が磨いたお酒はアートそのもの。お酒の概念を超えた唯一無二の存在感をお楽しみください。

We holds a curated portfolio with carefully selected one & only wines and spirits from around the world.