『マップス 新・世界図鑑』

アレクサンドラ・ミジェリンスカ&ダニエル・ミジェリンスキ(著) 徳間書店

ともに1982年生まれのポーランドの絵本作家夫妻、アレクサンドラ・ミジェリンスカとダニエル・ミジェリンスキが世界42カ国について調べ上げてまとめた大人も楽しめる絵本。スペインやフランス、イギリスなどよく知っている国を改めて見るのも面白いけど、ルーマニアやヨルダン、マダガスカルなど知らない国の風物や食べ物を見るのがまた楽しい。

世界にはいろんな国があり、違う習慣を持つたくさんの人がいて、いつかどこかで出会えるかも知れません。未知へのワクワクをくれる素敵な本です。

レベル:子どもと一緒に読みたい

『SCHLOSS GOBELSBURG』設立850周年記念

『シュロス・ゴベルスブルク』ミヒャエル・モースブルッガー著

1171年の設立以来、オーストリア屈指のワイナリーとして知られるシュロス・ゴベルスブルク。著書のミヒャエル・モースブルッガー氏はこのワイナリーの現在のオーナーで、1996年より長期賃貸契約という形で受け継ぎ、12世紀より続くシトー派修道院によるワイン造りの伝統を現代の解釈で蘇らせています。

落ち着きと知見に満ちたミヒャエルが850周年を迎える2021年に出版することを想定して長年構想を練って来た圧巻の著書。ページを繰るごとに歴史の厚みが伝わってくる名著です。

レベル:どう考えてもプロ向きですが、歴史愛好家にもお勧めしたい一冊。

『ラ・ボテジャ 18』

『La Botella 18』 Ferran Centelles SAntana著

旧エル・ブジのソムリエ、フェラン・サンタナの著書が出版されました。私のトラベルエッセイ『ワインと旅するスペイン』を(Google翻訳で)読んだカタルーニャのワイン仲間が、「Kayoと同じような目線でワインを書いた素敵な本だよ」と持ってきてくれました。

レベル:ワインを愛するすべての人に

飲める香水。ディスティレリ・ド・パリのジン

Distillerie de Paris’ iconic Drinkable Perfume

WHO WE ARE

BATCH 1/バッチ1
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの楽譜に直しがないように、ディスティレリ・ド・パリの記念すべき第一作目はたった一度の蒸留で完成した。つまり修正なしで、だから名前はバッチ1。「100年後の人々が今を振り返った時、ディスティレリ・ド・パリはジンの歴史を変えた蒸留所だったと記憶されていたい。そう、フランソワ・コティのシプレ(1917年発表)のように」と願ったニコラ・ジュレス氏が、シプレにオマージュしたジン。爽やかな香りのシャワーを全身に浴びるようなジン。

-ベルガモットを軸にした柑橘系のトップノートから展開する果物や花などの軽やかな香り。ボーイッシュな女性の爽やかさ、ダンディなのにどこか可憐といった相反する要素も魅力の中性的な香調。

TONIK/トニック
キナを使った本物のトニックウォーターが少ないなら、蒸留の段階でキナを入れてしまおうという柔軟性が心憎い。だからスパークリングウォーターで割るだけでシュガーフリーのジントニックになる。普通のジントニックのように甘みが欲しくなったら、お気に入りのシロップや極上のペドロ・ヒメネスのような特別な甘味を足せばプレミアムジントニックが出来上がる。ウッディなノートはビターチョコレートやナチュラルチーズとの相性も抜群。

-本物のキナの風味が効いたウッディなベースノートにスパイスが織りなす、ストレートで骨格のあるジン。全体的に清楚で上品、究極のシンプリシティを届けるオリエンタルウッディな香調。

BEL AIR/ベル・エール
多くの人を魅了するベル・エールの凝縮感。フランスの香水文化が開花した絶対王政の時代以来、香料となる植物の聖地として知られる仏領レユニオン島のボタニカルを使い、その特異な島で体験した衝撃をまさに“飲める香水“として作品にした。香りとスパイスの凝縮感もさることながら、香水らしさの決め手となるのは、香水ならではのボタニカルを駆使していることだろう。圧倒的な存在感。

次々と現れる凝縮した果実の香りは私たちをパリから遠く離れたエキゾチックな異国に誘う。やがて大地に包み込まれるようなウッディなノートに至る魅惑的で官能的な大人の香調。

★手軽な楽しみ方★ 水割りでお楽しみ下さい(サンペレグリノを推奨しています)

パリのシングルモルト。ディスティレリ・ド・パリのウィスキー

Single Malt Whiskey by Distillerie de Paris

Tribute to the grains

SINGLE MALT WHISKEY PARIS/シングルモルト ウイスキー パリ
フランスの首都パリ初の蒸留所。
スピリッツへの知的な情熱と直感に駆り立てられたニコラ・ジュレスは、フォーブル・サン・ドニ通りの奥に隠されたアーノルド・ホルスタインの蒸留器で、革新的かつ最高の美を湛えたスピリッツを生み出している。

モルトのフレーバーを引き出すライトな口当り、確かな骨格とフレッシュな余韻に満ちたオリジナルスタイル。ウィスキーに新たなテーマを携えて登場したディスティレリ・ド・パリのシングルモルト。パルミジャーノ・レッジャーノと合わせると至福。

ー 原料に語らせたい ー

森とつながる。ディスティレリ・ド・パリのメープルスピリッツ

Maple Spirits by Distillerie de Paris

MAPLE SPIRITS/メープル スピリッツ
カナダの厳しい冬が終わりを告げる頃、雪解けとともにメープルの樹から樹液が流れ出る。植樹もせず、伐採することもなくただ森を潤す水が樹液になるのを待つだけ。ニコラ・ジュレスはメープルシロップには使えず廃棄される樹液があることを知り、ケベックの森の命をそっとそのままボトルに封印した。自然とのつながりを呼び起こすスピリッツ。

#唯一無二

『オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン…、本当は何が違う?』

EAU DE PARFUM, EAU DE TOILETTE, COLOGNE…WHAT IS THE REAL DIFFERENCE?

香水の呼び方って何でこんなにあるの?誰もがつまづくそんな疑問に、バルセロナの高級トイレタリーショップ、CARNERが答えてくれました。以下に訳を、本文はこちらからどうぞ→Eau de Parfum, Eau de Toilette, Cologne… What is the real difference?

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“フレグランス-Fragrance”とは、「香り高い」を意味する“fragrant”に由来するとおり、心地良く甘美な香りを指す言葉です。フレグランスには、パルファム、オードパルファム、オーデコロンなどがありますが、ブランドやボトルのデザインを超えて、値段の差を生む本当の違いは何でしょう?

専門家によれば、人が香りに惹かれるのはそれが記憶が結び付いているからであり、そのため高価なパルファムと安価な香水を決定的に区別するものはありません。

他にもよく誤解されているのは、誰が何をつけるかということ。現代マーケティングがもたらしたものの一つが、”for men”や “for women”というラベルです。フレグランスの世界では、パルファムは女性、コロンは男性と言われています。

それではフレグランスの5つの種類について、主な違いを見ていきましょう。正しい濃度を知ることは、好きな香りに出会うことと同じくらい大切です。

濃度の違い/Perfume Concentration

Illustration @2022 Kayo Kono

1.パルファム/Parfum |濃度20-30%、持続時間8時間|
香料含有濃度(賦香率)が最も高く(20%以上)、そのため持続時間が長い。結果、最も高価。アルコール分が少なく肌を乾燥させないため、敏感肌の人にも適している。

2.オードパルファム/Eau de Parfume |濃度15-20%、持続時間4~5時間|
香料含有濃度(賦香率)はパルファムに次いで高く、持続時間も4~5時間と長い。アルコール分も低いため、敏感肌にも向いている。隣の人に頭痛を起こさせたり、ハグの後、首に香りが移るということなく香りを身に着けることができるちょうどよい濃度。現在、最も人気のあるカテゴリで、朝から夜まで香りに包まれ、眠る前にも残り香を感じるほど。

3.オードトワレ/Eau de Toilette |濃度 5-15%、持続時間2~3時間|
こちらも人気のフレグランスの一つで、濃度は5~15%。オードパルファムより値段も安い。オードトワレという名前、フランス語の“faire sa toilette”から来ているということをご存じでしたか?「準備できたよ」という意味です。

4.オーデコロン/ Eau de Cologne |濃度 2-4%、持続時間2時間|
賦香率がかなり低く、アルコール分が高くなるため、前述の3種類に比べるとかなり値段も手ごろになる。
ハーブやシトつスの香りが主体でベースノートがほとんどないという、伝統的なレシピに由来したフレグランス。何度か付け直す必要があるのでボトルは大きいサイズが多い。

5.オーフレッシュ/Eau Fraiche |濃度1-3%、持続時間2時間|
持続時間が2時間という点ではオーデコロンに似ているが、賦香率はさらに低い。大きな違いはアルコール分が高くないこと。成分のほとんどが水なので、敏感肌の人にも勧めやすい。

最後に、香りの種類とともに、最終的な香りを決定するフレグランス ノートがあることを知っておくことが重要です。

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ここからは香水をつける量の目安として、以前どこかで聞いた話を書き留めておきます。さすがフランス、こんな所にも誌的な雰囲気が漂っています。


“オードパルファムは「点」、一、二滴落とす感じで
オードトワレは「線」、横にのばす感じで
オーデコロンは「面」、 動かさずに吹き付ける感じで身にまといましょう”

『グラース慕情』花と香りのエッセイ:50年の集大成

広山均(著)フレグランスジャーナル社

日本の香料会社の研究室で日夜よい香りの香水を創ることに専念していた著者の広山さん。1969年に渡仏し、香水発祥の地、南フランスのグラースでフランスの調香師たちと交流をしてきたなかで体験し、感じたことが生き生きと書き留められています。

“音楽に「名曲」があり、文学に「名作」があり、絵画に「名画」があるように、香りの世界には「名香」がある。何をもって名香とするかは、他の芸術作品と同じように時間を超越して、世界の人たちに愛され続けていることだろう”(本文より抜粋)

レベル:香りを仕事にする全てのプロに