神々の遊び「新年を寿ぐドイツリースリング」-2022 Jan.

山村の築100年の古民家で、本物の料理と本物のワインを愛でる神々の遊び

A cozy Japanese folk house restaurant, Kokorone

総面積の90%を山林が占める高槻北部の樫田地区には、心安らぐ里山風景が見られます。そんな樫田の集落、中畑で、自然にとけこむように佇む名店「心根」では、静謐さのなかに温かみのある上質の古民家空間で、滋味あふれる大地の恵みを四季折々の美しさとともに供しています。「氣」ほとばしる「心根」の料理と、それ寄り添うワインをKayoKonoがセレクト。喧噪から離れた里山の贅沢を味わい尽くします。

<氣ほとばしる心根さんのお料理と熟成リースリングの新年会>

新年のお献立
一、 祝い雑煮
(炊いて揚げた海老芋、炭火で焼いた杵つき餅、京人参、菜花、小蕪、和辛子、白味噌仕立て)
一、【八寸】名物鯖寿司、ブロッコリー味噌漬(黒胡麻)、卵黄味噌漬、花蓮根チップ、金柑蜜煮、
黒豆煮、子持ち鮎南蛮漬、結びなます、揚げ慈姑、揚げ稲穂、蕗の薹白和え(こんにゃく、椎茸)
一、七草飯蒸し(七草、餅米、氷魚(鮎の稚魚)、あられ唐墨)
一、鯉昆布〆、揚げ鱗、皮湯引き、骨出汁寒天寄せ、辛子水菜、わさび菜、自然薯、辛味大根、紫大根、
山女いくら、割醤油
一、ワカサギ天ぷら(ワカサギ、クレソン酢)
一、雉団子と初筍、小豆のスープ
一、鹿肉と聖護院大根の蒸煮
一、炊き立てごはん、漬物、塩鮭燻製
(おかわりで、卵かけごはん、塩鮭燻製茶漬、鰹のたたき丼など)
一、ほうじ茶アイスクリームとあんぽ柿
一、はなびら餅 抹茶

ぺリングワイン
Brut Rose 2014, Hattingrey Valley/ UK
Deep Blue 2019, Pinot Noir, Weingut Tesch/ Germany
Laubenheimer St. Remigiusberg Riesling Trocken 2018, Weingut Tesch/Germany
Langenlonsheimer Lohrer Berg Riesling Trocken 2012, Weingut Tesch/Germany
Langenlonsheimer Konigsschild Riesling Trocken 2014, Weingut Tesch/Germany

心根 最寄り駅JR高槻より車で30分(送迎あり)
Weingut Tesch ヴァイングート・テッシュ(ドイツ)
Hattingley Valley ハッティングレイ・ヴァレー(英)
Pago de Valdecuevas パゴ・デ・バルデクエバス(スペイン)

本日は素晴らしいひと時をありがとうございました。また次回みんさんにお会いできるのを楽しみにしております。

心根のみなさん、素晴らしいお料理をありがとうございました。お料理のご説明が言祝ぎです。マルティンとエマにも乾杯!

オリーブオイル探しの旅、これで終わる

Pago de Valdecuevas

生産者:パゴ・デ・バルデクエバス
生産国・産地 : スペイン・カスティーリャ・イ・レオン

オリーブにも品種があり、産地でも味わいはずいぶん違う。パゴ・ デ ・ バルデクエバスはアルベキーナ種100%、圧倒的な凝縮感、ボディがあるのに、全体的にフェミニンなエクストラ ヴァージンオリーブオイル。これがあれば料理の質はぐっと上がるし、使っているだけでそもそも気分が上がりっぱなし。


造るのは何世代も地域の産業に貢献してきた地元の名士、マルティン家。「最高級のオリーブオイルを造る」と、調査から実に8年の歳月をかけて設立した140ヘクタールの自家オリーブ農園は、そのど真ん中に圧搾所があり、収穫してからたったの30分以内に圧搾できる。それだけでも本気度が伝わってくるが、それがカスティーリャ・イ・レオンと聞けばなおさらだ。


スペインのオリーブオイルといえばメッカは南部アンダルシア地方。ところが、なんとこの農園は北西部カスティーリャ・イ・レオン地方の標高約800メートルの高地にある。 冬に厳しく冷え込む気候から 一見オリーブ栽培には向かないように思われるが、 実はこれが味わいのバランスを決める鍵。 あくまでも最高級品にこだわり、 土壌や気候条件、 オリーブの樹の遺伝的特徴までも研究し、 遂にスペインを代表するアルベキーナ種がこの地に適合することを見出した。

Albequina


“わたしたちがお届けするオリーブオイルは、 プレミアムエクストラヴァージンオリーブオイルのみ。 常に完璧なオイルを造るために、 自家農園、 最新設備、収穫後 30 分以内の圧搾、 限定生産、受注ごとの瓶詰めにこだわっています。”

#わくわくするようなストーリー

“新しき良き”イングランド。その泡、パーフェクト!

Hattingley Valley

生産者:ハッティングレイ・ヴァレー
生産国・産地:イギリス・セントラルサウス(ハンプシャー)

シャンパーニュを10年も買い付けてきたから心底思う。イギリスの泡には可能性しか感じない。こんな風に言うとイギリス人は嫌がるに違いないけれど、本当にシャンパーニュの”弟分(younger brother)”だと思っている。泡のキレと美しさ、それでいてシャンパーニュのブリォッシュ香とは趣きの異なる繊細さがイギリスらしい。もっとも地図を見れば一目瞭然で、太古の昔は大陸と繋がっていたから、南部にはシャンパーニュと同じ白亜質ベルトが広がっている。だから、というほどワイン造りは単純ではないけど、これってロマンのある繋がりだ。


一昔前のさほど取り柄のないスティルワインの国から(失礼!)、一部の造り手が本気で設備投資をしてスパークリングワインに向き合ったことが功を奏したのは言うまでもなく、冷涼すぎたこの産地では地球温暖化も味方している。今後十年もすればレゼルヴワインのストックも十分に達し、よりふくよかな味わいも期待できるだろう。品質の向上が著しいイングリッシュスパークリングも、土地柄、酸のシャープさはときに過剰なものもある。ところが、ハッティングレイでは一部にマロラクティック醗酵を施していて、ほんのり、でも取れすぎない絶妙なバランスで角が取れているところが秀逸だ。


イギリスではアフタヌーンティーの最後にシャンパーニュを飲む習慣があるのをご存じだろうか?こんな風に優れたスパークリングワインが自国でできるようになったのを、一番喜んでいるのは紅茶党のイギリス人かも知れない。何といっても、アフタヌーンティーを最初から最後までイギリス産で楽しめるようになったのだから!

WE CAN’T GUARANTEE THE WEATHER, BUT WE CAN GUARANTEE THE WINE.
「天気は保証できないけど、ワインは任せてくれ」。元イギリス在住者としては、このブラックユーモアがツボ。現地では有料でワイナリーツアーも楽しめる。念願叶って2015年に買い付けた初めてのイギリスワインの一つ。

Butterfly is the symbol of the vineyards

#わくわくするようなストーリー

凄いからつい天才と言ってしまう

Weingut Tesch

Martin Tesch, a genius kind of winemaker

生産者:ヴァイングート・テッシュ
生産国・産地:ドイツ・ナーエ地方

テッシュの辛口リースリングはどれもこれもズバ抜けた品質で異常に安い!それが全て特級畑に相当する単一畑ものだと知ったらなおさら目を疑ってしまう。ドイツリースリング最大の魅力である骨太の酸と透明感。ジューシーな果実味。これが区画ごとにみごとに表現されている。品種、醸造方法は同じで見せるのは純粋に土壌の違いだけという点で、産地は違えどサンセールのフアシェと同じ着想。シンプルなのが良い。


二つの村に分かれる6つの区画。ナーエ川に面して日当たりや斜面、風向き、そして土壌を見極めて区分けされた畑のひとつひとつが持つ特徴が自然の摂理に叶っていて、改めてワインが農作物だと実感させられる。

5 Gran Crus are packed in the two tiny villegaes


現当主マルティンといえばこんな感じだろう。三百年の歴史を持つ老舗ワイナリーにある日突然十代目の“バカ息子”が帰って来た。伝統を捨て、40種類以上もあった商品をリースリング、それも辛口だけにしてしまう。ワインには英語名をつけ、ラベルはカラフルに、なんてしだしたら?当然、長年の顧客の四割以上を失ってしまった。スクリューキャップに誰もが懐疑的だったときに、グラン・クリュワインをスクリューにしたのもマルティンだ。


凡人には見えていないものが見えるのが天才。凡人が天才の考えていることを理解するには十年かかる。そんな苦境の時、真っ先に新しいテッシュを理解したのがロックンローラーやファンの若者たちだった。偏見のない所にクオリティは発見される。そぎ落とされた美を放つテッシュのリースリングは、従来の“愛好家”ではなく研ぎ澄まされた音に敏感な次世代の心をつかんだ。

未来ある若者のために敢えて価格を安くしてくれていることを補足しておこう。

Weingut Tesch 僭越ながらこちらのオフィシャルサイトでわたくしのマスタークラスが視聴できます。

Single vinyeards’

#わくわくするようなストーリー

ワインにも合う絶品、ゆずのサバ缶トマト煮

Canned Yuzu Mackerlel Tomato Red Label

木頭ゆずの風味をまとった寒サバの旨みがぎゅっと詰まったサバ缶。千葉県銚子港で冬にとれる脂ののった寒さばを使っています。ゆずの酸味とサバの脂はいいに決まっているし、そもそもこんなに美味しい缶詰を食べたことがないと思ったくらい美味しい。

国産 焼き寒さば トマト煮
こちらはトマトソースで煮込んであります。
まさにそのままトマトソースのパスタがいただけます。フレッシュトマトを使う前述のレシピとは違う濃厚さが特徴で、こちらはピノ・ノワールを合わせるのもおすすめ。


ホワイトソースとパルミジャーノをかけてグラタンにすれば、時短料理とは思えない一品に。

ほかの商品もぜんぶ試してみたい。

ご注文はこちら→ 木頭ゆずの通販「黄金の村」公式通販サイト

Gazpacho ダニーのガスパチョ

お料理上手の醸造家、アスル・イ・ガランサのダニーのレシピ

ガスパチョは暑い夏を乗り越えるわたしのよき相棒!スペイン、アンダルシア地方発祥のスープです。食欲をそそるトマトの赤い色、身体を冷やしてくれる野菜たち。郷土料理は本当に上手くできていると思います。

日本でもいろんなレシピがありますが、やっぱり本場が一番。
お料理上手の醸造家、アスル・イ・ガランサのダニーのレシピをご紹介します。

Stock image

材料(4人分):
 熟したトマト ・・・・2個
 ピーマン(緑)・・・・1個
 パプリカ(赤)・・・・1個
 にんにく ・・・・・・1片
 きゅうり ・・・・・・1本
 玉ねぎ ・・・・・・・1/2個
 オリーブオイル ・・・300ml(スペイン産のエクストラ・バージン オリーブオイル)
 バゲット ・・・・・・スライス1枚
 お酢 ・・・・・・・・0.25L (できればシェリービネガー)
 水 ・・・・・・・・・100ml
 塩少々

作り方:
材料を適当な大きさに切り、ブレンダーかミキサーにかけます。裏ごしにかけるとさらに口当たりが洗練されます。ポイントはオイルやビネガー。良いものを選ぶと、より風味が増します。私の秘訣はトマトの芯をくり抜いて、あらかじめ冷凍しておくこと。そうすれば、飲みたいときにいつでも冷たいガスパチョに癒されます。

WINE

Vitis de Azul y Garanza, Garnacha Blanca 60%, Viura 40%

有機栽培で丁寧に育てた健康なブドウのミネラル感と果実味。少しボディがあるので冷やしてガスパチョと合わせると、最高のアペが始まります。Easy peazy!

ケルトの村の手作りの暮らし

La Setera Quseeria Artisanal y Bodega

Everything is artisan

生産者:ラ・セテラ
生産国・産地:スペイン、カスティーリャ・イ・レオンで アリベスD.O.

ラ・セタラにはもう憧れしかない。手づくりの暮らしが見えるのだ。カスティーリャ・イ・レオン州の西の端、フォルニージョス・デ・フェルモセリェ村に入ると、「Queso y Vino Artesano Degustacion y Venta -手づくりチーズとワイン 試食・試飲販売」と記された手書きの道案内のすぐ先に、機械化とは無縁のどこかくたびれた小さなボデガが家族の住まいと一体になっている。表の目立たない看板が唯一、ここがワイナリーであることを伝える目印だ。この村は独特のケルトの石積みでできていて、ボデガの外壁も石の壁が印象的。スペインというよりイギリスの田園風景を思い起こさせる。ここでは何もかもがひっそりと慎ましい。

Here we are! ーボデガに着いた

小さくても仕事は丁寧。ワイン造りやヤギのミルクを使ったチーズ作りの工程では、細部に目を配らせ、地域のビオダイバーシティを豊かに育みながら日々の暮らしを営んでいる。ラ・セテラという名前は、ワイナリーがある渓谷から頂いた。この小さな谷は、圧倒的な景観を織りなすあの全能なるドゥエロ川に続いている。ボデガのストーリーは1994年、サラとフランシスコの若いカップルがこの地に一目惚れしたことに始まる。生物学者だった二人は、いつか人生の早い段階でサステイナブルな生き方がしたいと思っていた。だからまず、セテラの谷でヤギのチーズを作り始め、2003年には自分たちでワインも造るようになった。二人がはじめたこの小さな活動によってコミュニティがうまれ、知らず知らずのうちに地域の自然文化遺産を守り、人口の流出を防ぐという重要な役割を担っていた。

Children must have grown up by now
Bodega and stonewall

ワイナリーはアリベス・デル・ドゥエロ自然公園のなかにあり、豊かな生態系の恵みを受けている。秘境ゆえに手つかずの土地は状態がよく、生産性を求める農業生産で土が疲弊しているということもない。サラとフランシスコは一方的に搾取するのが嫌いなので、ワインも無理のない範囲で造るから、どうがんばっても年産わずか一万本程度。その分クオリティが高く、もちろんワインに化学的な処置や人工的な対策を施すことは一切ない。畑の古木もみごとだ。

Beautiful old vines
Tasting, tasting and tasting to select the ones

WINE

La Setera Tinto Joven, Juan Garcia 100%
La Setera Tinto Roble Seleccion Especial, Turiga National 100%

La Setera Tinto Crianza, 100% Juan Garcia
La Setera Tinto Crianza Seleccion Especial, 100% Touriga Nacional

パワーのなかにフィネスを感じる赤ワインは、良い意味で野趣溢れ濃厚でいて、きめが細かい。
どちらも忘れられないハイクオリティ。ラベルの図柄にお気づきたろうか?そう、石積みがモチーフになっている。

CHEESE

ラ・セテラのチーズも、ワインと同じように製造工程はいたってナチュラルだ。ヤギのミルクは近隣の農家から毎日新鮮なものを調達している。つまりヤギたちは100%アリベスの土地のなかで草を食んでいて、こんな環境で育ったヤギだから、チーズが美味しくないわけがない。

Cualquier alimento es más sano, cuanto menos procesos haya tenido para su obtención. Sara y Francisco ー食べものは加工しないほどより健康的。

Cheese shop
Sara’s queseria

<行き方>
フォルニージョス・デ・フェルモセリェ村へはフェルモセリェから車で20分。

<アリベスに泊まる>
La Casa de los Arribes lascasadelosarribes@hotmail.com (Tel. 34 629 74 95 52)
アリベス・デル・ドゥエロ自然公園の案内も充実しているし、アニマルセラピーなども体験できる。

神々の遊び「秋田の熟成日本酒と京料理」-2021 Nov.

米の旨みにかける金紋秋田酒造さんの熟成酒を、繊細な京料理とぴったり合わせる神々の遊び。ワイングラスはオーストリアの名品ZALTOのユニバーサルを使用しました。記憶に残る憧れのペアリング。次回はいつになることか。いまから楽しみです。

令和二年十月八日(金)御献立


先付一 汲み上げ湯葉とローストした松の実の組合せ 
椎茸の香り付けをした出汁のジュレ、椎茸ソテー、松の実、キャビア
先付二 煮鰻と揚げ蓮餅(岩手県産松茸鋳込み)、煮詰め、粉山椒

八寸 魳の炙り寿司(干し菊、切り胡麻)、牛たんの煮込み辛子添え、紫ずきん、
衣被、カボス釜(マスカット、柿、林檎の白和え落花生の香りを添えて)

御椀 渡り蟹の真蒸、岩手県産松茸、松葉柚子 清汁仕立て

造り ① 北海道産本まぐろの炙り 辛子醤油
   ② 徳島県産のどぐろの炙り 山葵醤油
   ③ 淡路島産鱧の焼き霜 玉葱ポン酢

焼物 子持ち鮎塩焼き頭と背骨の粉添え、渋皮栗、塩煎り銀杏
   焼いた檜葉の香りと共に
炊合 キンキと小蕪 針葱、粉山椒
御飯 白甘鯛、原木舞茸、油揚げの炊き込みご飯 
漬物 椎茸昆布、糠漬け胡瓜 
後汁 田舎味噌仕立て なめこ茸
デザート 無花果のアイスクリーム、バルサミコ酢ゼリー掛け
     京丹後梨、無花果、クイーンニーナ、ミント
菓子 安納芋の羊羹 水出し茎玉露

先付一 椎茸や松の実、キャビアなど個性的な食材が繊細に調和する先付:ブランと亜麻色。

先付二 一本残らず骨を抜いたウナギ、加賀蓮根、なかには松茸(写真中央):ブランと山吹。松茸、椎茸、鰻、蓮根といった素材は特に山吹にバッチリ合う。ブランも良い。

八寸 マスカットや柿、林檎などのフルーツは亜麻色、里芋はブラン、牛タンはゴールド、カマスのお鮨は山吹2004。X3ブランも悪くないが、山吹2004がベター。亜麻色に果物が合うのが驚き。

渡り蟹の真蒸には亜麻色。ブランだと少し重く感じる。優しいお料理は亜麻色が寄り添ってくれる。松茸の力強さは山吹ゴールド。松茸がこれほどまでに力強いことに改めて驚く。

お造り①(左)
北海道のマグロを炭で極軽く炙ったお刺身は辛子醤油にて。
ブランと山吹2004が柔らかい肉質と調和し旨味を引き立てている。亜麻色だと生臭さが、ゴールドだと酒が主張してしまう。

お造り②(中央)
ノドグロの皮の脂を炭で炙った逸品。ゴールドが正解。ブランでも良いけど肉厚の魚にはやや酒質が弱い。亜麻色と山吹2004では弱すぎる。

お造り③(右)
皮に直接炭を当てた鱧に玉ねぎのソース(玉ねぎと柚子、カボス、酢橘など柑橘が効いたポン酢)。フィノのようなタッチの亜麻色が最高で、酵母感の効いたブランは更に合う。いや、この鱧は全ての金紋秋田とよく合う。

焼物 栗、銀杏、鮎、ヒバを炙って香りづけ。予想通り亜麻色とブランが合っているが、細かく見ると鮎はゴールド、ブラン。亜麻色だと少し甘みが出てくるので好みが分かれる。山吹2004はオールマイティにいけている。鮎の苦味と塩味、香ばしさが鍵。栗の甘みにはブランがベストマッチング。

炊合 敢えて伝統的なレシピを残して再現した懐かしさが染みるキンキの煮つけに黒七味が洗練を与えている。これはブラン。煮つけの円やかさが亜麻色、山吹2004とも良く合う。

京料理 杢兵衛
京都祇園花見小路 Tel. 075-525-0115