
軽薄ではない、「骨格がしっかりしたブレない辛口白ワイン」が好きな方、シャブリのような「大地のミネラルを感じる清らかなワイン」が好きな方、鮨、天ぷら、カルパッチョなど、素材を活かした和食やシーフードに合わせたい方にお勧めしたい、この凛とした佇まい。それでいてお肉料理にも合わせられる骨格にはただひれ伏すばかり。
ヴァイングート・ニグルのグリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングはオーストリアを代表する最高品質のワインとして評価され、クレムスタールならではのエレガンスとフィネスに富んでいる。ワイナリーはクレムス渓谷のセンフテンベルク村にある単一畑「キルヒェンベルク(Kirchberg)*」の麓に位置している。現在の建物は12世紀に遡る歴史を持ち、かつてはシュターヘンベルク侯爵家の荘園として使用されていたものを、1994年にニグル家が取得したことでワイナリーの歴史がはじまった。
(*教会の丘という意味の単一畑。まさに文字通り村の古い教会のすぐ下に広がる南東向きの斜面にある。この畑がある岩山全体をブルクベルク(廃墟の山)といい、その頂きに聳えるセフテンベルク城跡からの絶景は見事)
クレムス渓谷に広がるブドウ畑では、主にグリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングを栽培し、ソーヴィニヨン・ブランとムスカテラーが白のラインナップに幅を持たせている。この地域の石灰質を含むレス土壌ではツヴァイゲルトとメルローを栽培する一方で、ピノ・ノワールは銘醸畑「プフェニングベルク(Ried Pfaffenberg)」で栽培しているというから面白い。急斜面の雲母片岩土壌で構成されるこの単一畑。西から冷涼な風が吹き込み、過酷ともいえる昼夜の寒暖差に見舞われる環境で、圧倒的にリースリングで有名なのだ。白の名手ニグルの超変化球といえるだろう。
「大切なのは、完璧なバランスを持つワインを造ること。畑がもたらすあらゆる要素――果実味、フィネス、エレガンス、凝縮感、そしてミネラル感――を損なうことなくボトルの中へ届けることです。」
— マルティン・ニグル
生産者:ヴァイングート・ニグル
生産国:オーストリア|ニーダーエスタライヒ州クレムスタール
『Falstaff(ファルスタッフ)』:最高格付けの「5ツ星」 — オーストリア国内で最も影響力と権威のあるワイン専門誌『Falstaff』において、ニグルは最高ランクである「5ツ星」を獲得。「常に極めて突出した品質のワインを造り、世界的な認知と需要を持つ、世界最高峰のワイナリー」にのみ与えられる栄誉である。二グルがある「クレムスタール」地区の中で、唯一5ツ星に輝くワイナリーとして君臨。
ワイン評論家スチュアート・ビゴット —「最もシンプルなワインから最高峰のワインに至るまで、ニグルの白ワインは驚くほど澄み切っており、香りと味わいの両面で非常に精密。少々反則と思えるほどの魅力と、偉大なエレガンスを兼ね備えている。まさに見事!」
ジェームス・サックリング伝説の100点満点 — 代表的な1級畑(エアステラーゲ)のリースリング、『リースリング プリヴァート リート・ホフエッガ 2021年』に対して「100点満点」を献上。「息をのむほどクールで繊細。ミネラルの強さは桁違い!」と大絶賛。
『Wine Enthusiast(ワイン・エンスージアスト)』などアメリカの有名ワイン誌でも高得点の常連で、「美しく澄んだレモンのような酸、スパイスや旨味(セロリソルトや味噌のようなコク)を感じる引き締まったフィニッシュ」などと称され、料理を引き立てる万能ワインとして常に安定した高い評価を獲得している。
ウィーンから北西に約70km、オーストリア屈指の有名産地「ヴァッハウ」と「カンプタール」に挟まれたドナウ川流域にある世界最高峰の辛口白ワインの銘醸地。知名度こそヴァッハウに一歩譲るものの、ワイン通の間では「ヴァッハウに比肩する最高品質でありながら、手頃な価格で見つかる穴場スポット」として極めて高く評価されている。異なる2つの気候が交わる独特な場所にあり、大きく分けて、川のどちら側か、または標高によって土壌がガラリと変わり、これがワインのキャラクターを明確に分けている。その結果、この地域では、みずみずしさとフィネスに富んだ白ワイン、とりわけグリューナー・フェルトリーナーとリースリングが高く評価されている。また生産量は少ないものの、凝縮感と表現力に優れた赤ワインも生み出されている。そして何より、この地域の生産者たちはそれぞれの畑の個性を深く理解し、尊重している。小さな地域の中に存在する多様性を最大限に表現することこそが、クレムスタールのワイン造りの本質なのである。
二グルがあるセンフテンベルク村周辺の石段丘は、彼らのワインの繊細さと優雅さを生み出すのに理想的な条件を備えている。以下、主な3つの強みをご紹介しよう。
| 気候 極上のアロマと酸を生む「二つの風」 | ●東からの暖かい風: 「パノニア気候」と呼ばれる暖かく乾燥した空気が流れ込み、ブドウをしっかりと完熟させ、リッチで華やかな香りを育てる。 ●北からの冷たい風: 夜には背後の山から冷涼な空気が吹き下ろす。この激しい寒暖差のおかげで、ワインに「明確で美しい酸」と「清涼感」がしっかりと残る。 |
| 土壌 ブドウ品種の個性を引き出す2大土壌 | ●結晶岩(プライマリー・ロック)土壌:花崗岩や片麻岩などの硬い岩石の土壌。主に急斜面の畑に多く、ニグルが得意とする「極めてシャープで引き締まったミネラル感を持つリースリング」が育つ。 ●レス(黄土)土壌:風で運ばれて堆積した、砂のように細かい土壌。主にドナウ川の東側のなだらかな段々畑に広がり、オーストリアの固有品種である「ふくよかでコクがあり、白コショウのようなスパイス感を持つグリューナー・ヴェルトリーナー」に最適。 |
| 格付け クレムスタールDAC | 「クレムスタール DAC」を名乗れるのはグリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングの2品種のみに限定されている。 |
グリューナー・ヴェルトリーナー リート・ キルヒェンベルク DAC ーワイナリーのすぐ隣にある教会の丘という意味の単一畑。まさに文字通り村の古い教会のすぐ下に広がる南東向きの斜面にある。豊かな香りの中にトロピカルフルーツや青りんごの生き生きとしたニュアンスがあり、口に含めばみごとな凝縮感と酸、緻密なミネラル、長い余韻に満たされます。偉大なワインに必要なものをすべて備えている。大きめのグラスで時間をかけてゆっくりと楽しみたい。
リースリング リート・ゴールドベルクDAC ーDAC法で第一級畑に指定される火山性角閃石(かくせんせき)土壌の単一畑、「ゴールドベルク」は、その引き締まった酸と火打石のようなミネラル感の見事なバランスで名を馳せるクレムスタール最高峰の白ワイン。若いヴィンテージは控えめで閉じているが、わずかに漂うパッションフルーツのニュアンス、柑橘系のなかにあるフレッシュな輝きと、相反する熟した柑橘の果皮が持つ凝縮感がこれから先の果てしないポテンシャルを予感させる。十分な時間を与えることで、この先に素晴らしい感動が待っている。
ツヴァイゲルト ロゼ ーツヴァイゲルトのロゼは、二グルが手掛ける世界最高峰の白ワインと同様に、生き生きとした酸味と爽快な明るさを備えている。樽でのシュール・リーによって、ツヴァイゲルトらしいチェリーや苺を想わせる赤果実の魅力が詰まった傑作となり、手頃ながら深みのあるテクスチャーと飲みごたえが備わっている。

