華やかな香りとまろやかな口当たり、ブドウ品種の個性が感じられる上品な味わい。蒸留酒と聞いて身構える刺激が少なく、真骨頂の熟成タイプは甘美なまでの甘みと樽香がいかにも上品だ。
イタリア北部、トレンティーノ州を代表する名門蒸留所、ヴィッラ・デ・ヴァルダは、ドルツァン家により6世代にわたってその技と情熱が受け継がれてきた。他にない独自性と高い品質を生むのは、長い時間をかけて大成された“de Vardaメソッド”。この蒸留技術を通して、トレンティーノのテロワールを最も美しく表現している。「グラッパはブドウの搾りかすから造る蒸留酒」という説明は間違いではない。しかし、”搾りかす”の概念を超える仕事がここにはある。
生産者:ヴィッラ・デ・ヴァルダ
生産国:イタリア|トレンティーノ・アルト・アディジェ州メッツォロンバルド

1 – 選別(SELECTION)
すべてはブドウの栽培から始まる。健やかで上質な実りを得るために畑を丹念に手入れする。収穫では最良の房だけを選び抜く。醸造家と蒸留責任者の監督のもとでワイン造り(圧搾・醸造)が行われ、ワインを含んだ新鮮な搾りかすだけを柔らかく圧搾し、すぐに蒸留へと進む。
2 – 蒸留(DISTILLATION)
独自の銅製蒸留器を用い、ゆっくりとした単式蒸留で香味成分を適切な温度で蒸発・凝縮させることで、ブドウ品種の個性を損なわずに抽出する。蒸留は熟練のマスター・ディスティラーが全工程を細心に監督する。
3 – 静置(REST)
蒸留後のグラッパは通常ステンレスタンクで約6か月休ませる。無熟成タイプはその後、ドロミテの湧水で度数を整え(加水)、冷却・濾過を経て瓶詰めされる。リゼルヴァとなるグラッパはここから木樽でのゆるやかな熟成に入る。
4 – 熟成(AGEING)
ドルツァン家には長年培ってきた樽熟成の経験がある。だからこそ、樽材(スプルース、オーク、アカシア、チェリー)の目利きから始まり、用いる樽はすべて自社仕様の特注品。温度と湿度の管理が行き届いたセラー(熟成庫)で、グラッパは時間をかけてゆっくりと気品ある風味を育む。最終的に、家族による官能評価と分析を経て、高い品質基準を満たしたものだけが完成品となる。

グラッパの起源は中世イタリア北部。ワイン造りで生まれるブドウの搾りかすを蒸留して活用するために発展し、ピエモンテ、ヴェネト、トレンティーノなどの地域で伝統が育まれました。現在はEU法でも「イタリア産のみがグラッパと名乗れる」と定義されています。
EYES グラスに注いだグラッパを見ると、その明るさと澄んだ輝きがよくわかります。これは上質なスピリッツに欠かせない重要な特徴です。熟成グラッパには、木樽での長い熟成がもたらす色調が加わり、麦わら色からマホガニーまで、魅力的な陰影が生まれます。
NOSE 香りを引き出すためにグラスをゆっくりと回し、”決して深く吸い込みすぎないように”、短く穏やかに香りを確かめます。若いグラッパは、新鮮な搾りかすの香りや、(アロマティック品種であれば)花や果実の明快な香りを示します。熟成グラッパは、バニラ、シナモン、リコリス、カカオ、時にはタバコを思わせる、豊かなスパイスの香りを湛えています。
MOUTH いよいよ味を確かめましょう。グラッパはごく少量を口に含み、ゆっくりと口内でなじませながら、舌を上顎に軽く押し当てることで香りが開いていきます。まず舌先にアルコールの刺激が訪れ、続いて甘味、苦味、そして温かさや渋みがもたらす触感が広がります。理想的なグラッパは、澄んだ輪郭と明確な風味を持ち、均整の取れた調和が感じられ、それらは余韻でも確かに続いていきます。
熟成グラッパのハイボール
①グラスに氷をたっぷり入れ、グラスと中身をよく冷やします。
②熟成グラッパを適量(30ml程度)注ぎます。
③冷えた炭酸水を、炭酸が逃げないように氷に直接当てないよう静かに注ぎ、軽く1回混ぜて完成です
カフェ・コレット
温かいエスプレッソに少量のグラッパを垂らす、イタリアの伝統的な大人の楽しみ方です。
