Luiz Anxo Rodriguez Vazquez ルイス・アンソ・ロドリゲス・バスケス

慎ましく田舎らしくて良き

ルイス・アンソ・ロドリゲスはアルノイアのブドウ栽培家でワインも自分で造っている。サカルコス/sacalcosという典型的な段々畑はわずか3.7ヘクタールしかないけれど、たくさんの区画に分かれていて栽培はとても丁寧にされている。近くのリバダビアにも畑を持っていて、そちらの方はたったの1.3ヘクタールと小さく、家庭用にワインを造ってきたことが分かる。

白ブドウはトレイシャドゥーラが主体で、アルバリーニョやマイナーなラドにトロンテスもわずかに栽培している。黒ブドウの方はブランセリャオ、カイニョにお気に入りのフェロル、ソウソンやアリカンテ・ブーシェはごくわずかといったところ。本当に慎ましくて辺鄙な山奥の農家さんという雰囲気は、はっきり言って国際マーケットを相手にするワイナリーではない。生産量も年間3万本というから、そもそも大きなことは考えていなかったんだと思うけど、意外にも生産の20%はアメリカに輸出している。きっとこのアメリカのインポーターは、スペインのテロワールワインを発掘するのが大好きなんだろう。ここまで足を延ばしてきたんだから。

Wine buying trip -ドイツ人バイヤーたちと

ブドウ栽培はひいお爺さんの時代のやり方に戻すのがルイスのやり方で、時代が農薬の多用や量産品種に傾いた父親世代の方法は取り入れないようにしている。除草剤や殺虫剤は一切使わずに(灰色カビ病だけはここではブドウ畑のやっかいな敵だから、防カビ剤は必要に応じて使用)、自分の目が行き届く範疇できちんと手入れをしている。こちらから出かけて行かない限り出会えないワイナリーで、訪ねれば素朴さに心打たれてしまうもの。白ワインは分かりやすい華やかさよりも土地由来のミネラル感を出すことに重きをおいていて、クラスが上がるにつれ瓶熟成のポテンシャルを感じる。白ワインの産地ながら、生産の4割が赤ワインというのがちょっと違うところ。

  • Vina de Martin:エントリークラス
  • Vina de Martin O Pasas:ミドルレンジ
  • Vina de Martin Escolma:プレミアムレンジ
Luis’s vineyards in winter

こんな素朴なワイナリーを訪れると、知らない土地に親戚ができたみたいな気分になる。思い出とともに飲むワインも素敵だけど、滅多に誰かと共有できるものでもない。バイヤーだけの密かな醍醐味だ。